【アリゾナ州フェニックス28日(日本時間29日)発】WWEのロウ大会が行われ、前夜のPPV大会「ロイヤルランブル(RR)」RR戦優勝を決めたセス・ロリンズ(32)が、祭典「レッスルマニア35」(4月7日、ニュージャージー州イーストラザフォード)でWWEユニバーサル王者の“ビースト”ことブロック・レスナー(41)に挑戦することが決まった。

 祭典での王座挑戦権を得たロリンズは冒頭でRR戦優勝をユニバース(WWE)に報告すると「祭典まで長い旅が始まる。旧友であるダニエル・ブライアンのWWE王座、あるいはスープレックスシティー…ブロック・レスナーのユニバーサル王座か。選択しなければならない」と早くも祭典出陣の態勢を整えた。

 するとトリプルH最高執行役員(49)がリングイン。女子RR戦で優勝したスマックダウン(SD)所属のベッキー・リンチ(31)の名前を挙げつつ「ベッキーは王座を即決するだろう。ロリンズ、君も今、ここで決める必要がある」と経営者として、決断を迫った。

 ロリンズは苦笑いを浮かべて希望する王座を言いかけたが、ここで元盟友でドロドロの遺恨抗争中の“狂犬”ディーン・アンブローズ(33)が乱入。「祭典での勝利を祈ってるけどよ、お前は俺に正々堂々勝ってねえだろ?」と対戦を迫ったのだ。トリプルHも認めて、急きょゴングが鳴らされるも、ロリンズはストンプで狂犬を一蹴。晴れて祭典での王座戦に向かうことになった。

 そしてメイン終了後にロリンズが苦難の道を選んだ。レスナーの代理人ポール・ヘイマン(53)がリングを占拠して「セス・ロリンズ、君はダニエル・ブライアンに挑戦したまえ。そのほうが賢明だよ」と演説をぶつや、ロリンズがリングイン。両雄は正面から身がこげるような視殺戦を展開した。不気味に満面の笑みを浮かべるレスナー。耐え切れずロリンズが先に右ストレートで仕掛け、スーパーキックで四つんばいにさせた。

 しかし前夜にはフィン・ベイラー(37)を完全KOして恐怖の底力を発揮したビーストがやられっ放しのわけがない。F5を4発見舞うやマットにベルトを置き、その上に半失神しているロリンズの顔面を叩きつける強烈なF5。ところがロリンズはロープ最下段に頭をもたれたダウン状態から「そんなもんかよ、もっとこいよ」と手招きしてレスナーを挑発する。恐るべき度胸と執念だ。非情なビーストはその要望に応じて、5発目のF5。ロリンズはカッと目を見開いたまま大の字となった。

「RR」の余韻が残ったままにもかかわらず祭典最大のカードが決定。レスナーとロリンズの激突はユニバーサル王座の歴史を塗り替える一戦となりそうだ。