【オクラホマ州オクラホマシティー21日(日本時間22日)発】WWEのロウ大会が行われ、初代WWEユニバーサル王者で次期挑戦者のフィン・ベイラー(37)がとんだ災難に見舞われた。

 ベイラーは次回PPV大会「ロイヤルランブル(RR)」(27日、アリゾナ州フェニックス)で王者の“ビースト”ことブロック・レスナー(41)に挑戦する。先週放送大会で“巨獣”ブラウン・ストローマン(35)がビンス・マクマホン会長(73)のリムジンを破壊して挑戦権を剥奪されたため、急きょ行われたジョン・シナ(41)との挑戦者決定戦を制して大一番への切符を手にした。

 しかし大会冒頭では王者、挑戦者、ストローマン、ビンス会長の4人が次々に登場して延々と口論を始める。巨獣の猛抗議を受けたビンス会長はベイラーとストローマンに再度、挑戦者決定戦を命じた。シナを破っているベイラーにとっては何とも不可解な裁定だったが、ゴングが鳴ると巨獣をスピードで圧倒。リング下で高見の見物を決め込んでいた王者にもノータッチトペやジョン・ウーを見舞い、王座戦に向けて好調をアピールした。

 しかし巨獣がコーナーからベイラーをリング下に放り投げると、ビーストがキャッチしてフロントスープレックス。さらには必殺のクー・デ・グラ(ダイビングフットスタンプ)を巨獣に決めた直後、レスナーが飛び込んできて勝利目前だったベイラーを強烈なF5でKOしてしまった。結局はベイラーの反則勝ちに終わり「RR」の王座戦に変更はなかった。

 災難だったのは必要性のない挑戦者決定戦を再び強いられ、決戦6日前でダメージを負ってしまったベイラーだ。この日は米国にとって特別な祝日である「キング牧師記念日」のため、大会前にはキング牧師の功績を振り返るVTRが5分間も上映されたのだが、いきなり不平等かつ理不尽な展開に…。この流れだとストローマンは30選手参加のRR戦参加が濃厚となり、ユニバーサル王座戦線の激震は続きそうだ。