【アラバマ州バーミングハム15日(日本時間16日)発】WWEのスマックダウン(SD)大会が開催され、SD女子王者の“女帝”アスカ(37=華名)が危険モードに突入した。

 アスカは次回PPV大会「ロイヤルランブル」(27日、アリゾナ州フェニックス)で、カリスマ的存在となった“ザ・マン”ことベッキー・リンチ(31)の挑戦を受ける。大会冒頭では、ベッキーが「アスカは運が良かっただけ。あのベルトは、もともとあたしのもんだからさ。奪い返すよ」と王者を挑発。ここで怒ったアスカが飛び込んできた。

 そもそもシャーロット・フレアー(32)を加えた12月の「TLC」3WAY王座戦ではそれぞれの思惑が入り乱れ、アスカはロウ女子王者ロンダ・ラウジー(31)の乱入もあってタナボタ式に王座を獲得したのだが、実力は証明しており、いつまでも前王者にゴタゴタ言われたくはない。「アンタがいつまでもあの試合を引きずっている限りシャーロット(フレアー)の幻影からは逃げられない。そしてこのアスカ様にも、勝てるわけがない!」と吐き捨て、鬼の形相のカリスマと顔をくっつけて視殺戦を展開した。

 ここで唐突に「WWE空気が読めないランキング」ではダントツの小娘集団アイコニックス(ビリー・ケイ&ペイトン・ロイス)がステージに登場。昨夜のロウ大会でお披露目された新WWE女子タッグ王座(2月17日、決定トーナメント優勝戦)を話題にするや「私たちが新王者になって『レッスルマニア35』(4月7日、ニュージャージー州イーストラザフォード)に出るのよ、キャーッ」と林家パー子のような嬌声を上げた。

 さすがにバカ負けしたベッキーが「あのさあ、もうそのへんにしようか。どっちでもいいから上がってきなよ」と小娘集団に試合を要求。結局アスカがリングサイドで見守る前で、ベッキー対ペイトンのシングル戦が緊急開催された。もちろん一方的な展開の末、必殺のディスアーマー(腕固め)でベッキーが圧勝。すると何かのキッカケでスイッチが入ったのか、アスカが髪を振り乱しリングに飛び込んできた。

「お前、ここで待ってろ言うたやろ! 言うたよな? 言うたよな!」と意味不明の日本語でわめきたて荒れ狂う。カリスマは何が何だか分からないまま、ぼうぜんと荒れ狂う王者の動きを見守るのみだ。アスカは小娘集団にも「やるんか、やらんのか!」とこれまた言葉にならない罵声を浴びせるや、強引にビリーをリングに上げ、試合を敢行。ベッキーに見せつけるようにディスアーマーを決めてから必殺のアスカロックでギブアップを奪った。

 この間わずか44秒。ベッキーがペイトン相手に5分以上を要したことをあざ笑うかのような短期決戦だった。アスカは再度、ベッキーに鋭い視線を突きつけるや、ベルトを誇示した。決戦直前で危険な部分が覚醒してしまったアスカ。ベッキーとの王座戦はWWE女子史上に残る過酷な一戦となりそうだ。

 また「RR」では“黒いロックスター“こと中邑真輔(38)が、ブルガリアの怪人・ルセフ(33)のUS王座に挑戦することが決まった。

 なお「ロイヤルランブル」は日本時間28日、WWEネットワークでライブ配信(日本語実況版付き)される。