【テネシー州メンフィス14日(日本時間15日)発】WWEロウ大会が開催され、第3試合でNXT女子期待の大器、ニッキー・クロス(29)が待望のメジャー昇格を果たした。

 スコットランド出身のニッキーは2008年に地元のSWAでデビュー。スターダム、JWP、WNCなど豊富な来日経験を誇り、15年には現NXTの紫雷イオ(28)のワンダー王座にも挑戦。16年4月にWWEに入団した。NXTでは男子の怪奇派集団「サニティー」に所属。胸をドンドンと叩いて奇声を発するジャングルパフォーマンスと変人キャラで人気を集めていた。

 この日は、次回PPV大会「ロイヤルランブル」(27日、アリゾナ州フェニックス)で激突するロウ女子王者ロンダ・ラウジー(31)とサーシャ・バンクス(26)の衝突から生じた、ナタリア(36)&ベイリー(29)vsネオパンク女子集団「ライオット・スクワッド」(ルビー・ライオット、リブ・モーガン、サラ・ローガン)の6人タッグ戦に抜てきされた。

 試合はベイリーがダイビングエルボー弾でリブを沈めたが、ニッキーはサラに鮮やかなエレベート回転首折り落としを放つなど非凡な才能を見せつけ、やかましく奇声を発し続けた。ロウ女子戦線に魅力的なメンバーが加わった。

 またロウ女子GMで謀略女王ことアレクサ・ブリス(27)のトークショー「ア・モーメント・オブ・ブリス」(ブリスの部屋)第3回が放送され、かねて新設を公言していたWWE女子タッグ王座の豪華なベルトが初公開された。

 しかしアレクサがベルトの説明をしようとするや、この日のゲスト、WWEユニバーサル王者ブロック・レスナー(41)の代理人ポール・ヘイマン(53)が登場。ホステス役の進行予定を無視し、一方的に王者に関する美辞麗句を並べ立てた。

 さらにはヘイマンのスピーチをさえぎるように、NXTで驚異的パワーを誇った怪力チーム「ヘビー・マシナリー」(オーティス・ドーゾヴィッチ&タッカー・ナイト)が登場して混乱に拍車がかかる。歴史的名ソウルシンガーと同名とは思えないオーティスは、“人語”にすら聞こえない奇声を発し続けると、タッカーに制止されて退場した。

 その後、通路では「レディ・オブ・NXT」を自称する1960年代的ファッションに身を包んだ美女レイシー・エバンズ(28)が、リングに向かうフィン・ベイラー(37)に無言で色目を送る光景も目撃された。いずれも来週以降に試合が組まれる予定だが、NXTからの昇格組が誰も“人語”を発しないケースは異例中の異例。ウィリアム・リーガルGM(50)の指導方針が問われる。

 結局、アレクサのトークショーは前回同様、進行役のセリフが短歌より短いまま強制終了となった。単なるWWEのテレビショッピングコーナー的存在と化してしまった感は強く、来週のゲストはもちろん未定だ。

 なお「ロイヤル・ランブル」は日本時間28日にWWEネットワークでライブ配信(日本語実況版つき)される。