【WWE】中邑まさかの王座転落 キンシャサ弾不発でルセフに3カウント

2018年12月26日 12時01分

ルセフ(右)の強烈なキックを食らう中邑(C)2018 WWE, Inc. All Rights Reserved.

 中邑がまさかの王座転落! WWEのスマックダウン(SD)大会「クリスマス・エディション」が25日(日本時間26日)放送され、“黒いロックスター”ことUS王者の中邑真輔(37)が、“ブルガリアの怪人”ルセフ(33)に敗れて王座防衛に失敗した。

 入場時はいつもの中邑だった。ロウとの対抗戦で使ったSDカラーの青から、仮面ライダーのような革の黒と赤の新しいジャンプスーツで登場。中邑は「アメリカを代表するUS王者!」とのコールを受けた。

 中邑がいきなり前蹴りを放つとルセフは怪力にまかせて猛攻。タックル、ラリアートを見舞うが中邑はグラウンドから絡みつくように三角絞め。ルセフの突進を止めた。

 その後も優位に試合を進め、サイドから入るチャンスリー式のスリーパーで捕獲。しかしブルガリアの怪人は脳天砕きからスープレックス3連打。それでも中邑はルセフをコーナーに置いて下からヒザを突き上げ、後頭部へ蹴りの連打を見舞う。7分過ぎには正面からのランニングニー、三角絞め、さらにはライダーキックでエプロンから突き落とした。

 休む間も与えずニー連打からフロントネックロック。次第にルセフは泣き顔になる。防衛は時間の問題とも思われた。しかし至近距離からのラリアート3連打で挑戦者が試合をひっくり返す。スープレックスからスピンキックと器用なところも見せる、さらには王者のお株を奪うようなヒザ蹴りからスーパーキックを見舞う。必殺のアコレード(ラクダ固め)は間一髪、中邑が場外へ逃れた。

 場外戦から生還すると笑みを浮かべてコーナーからのヒザ。しかしフィニッシュのキンシャサ・ニー・ストライク(ボマイェ)は、カウンターのマチカキック(スーパーキック)で迎撃される。この一撃は効いた。

 アコレードを三角絞めで返すも、火事場のバカ力のようなパワーボムで、挑戦者が絞められたまま投げ捨てる。しかし中邑はショートレンジのキンシャサ弾。だが再度のキンシャサ弾は不発に終わり、最後はラリアートからのマチカキックで3カウントを奪われた。新王者が愛妻ラナ(33)と抱き合う横で、中邑はガックリ肩を落とした。

 中邑は試合前のインタビューで「ルセフはクリスマスプレゼントが欲しいと言ってたけど、贈り物は顔面へのヒザしかないぜ」と豪語していたが、年内最終放送でまさかの王座転落となった。白熱の好勝負だっただけに無念の結果となった。

 それでも大車輪の活躍を見せた一年だった。PPV大会だけでも1月28日「ロイヤルランブル」では大殊勲の初参加優勝。4月8日「レッスルマニア34」では当時のWWE王者AJスタイルズ(41)と名勝負を展開。2人のライバルストーリーはSDの切り札的カードとなった。この一戦を機に、中邑は急所攻撃を得意とする悪役へと大変身した。

 7月15日「エクストリーム・ルールズ」ではジェフ・ハーディー(41)からUS王座をわずか6秒で奪取。メジャー王座初戴冠を果たした。11月2日「クラウン・ジュエル」では、ルセフを一蹴。11月6日「サバイバー・シリーズ」では大物中の大物で“キングスレイヤー”ことセス・ロリンズ(32)と初対決。名勝負を演じた。

 さあ、ここからと思われた矢先、11日SD大会では、ルセフにノンタイトル戦でまさかの敗退。この日のタイトル戦が組まれたが、まさか通常大会でベルトを落とすとは想像できなかった。

 しかし、視点を変えれば中邑がUS王座から「解放された」という見方もできる。現在、WWE王座には新日本プロレスのロス道場でともに鍛錬したダニエル・ブライアン(37)が悪の王者として君臨。中邑がかつて抗争したAJやサモア・ジョー(39)と抗争を繰り広げている。ここに中邑が加われば、対抗ブランド「ロウ」の看板であるWWEユニバーサル王座(王者はブロック・レスナー)をめぐる戦いよりもエキサイティングな展開となる。

 何よりベルトを手放したことで、来年最初のPPV大会「ロイヤルランブル(RR)」(1月27日、アリゾナ州フェニックス)のRR戦出場は確実となった。過去、2年連続優勝を達成したのは1990年、91年のハルク・ホーガン(65)、95、96年のショーン・マイケルズ(53)、97、98年の“ストーンコールド”スティーブ・オースチン(54)の3人のみ。オースチンは2001年にも優勝し、歴代最多3回の優勝を誇る。中邑が偉大な記録に並べるかにも注目が集まる。

 年内最後の放送で王座から転落した“黒いロックスター”。それでも19年は、再びまばゆいばかりの黒い輝きを放つつもりだ。