【ニューヨーク28日(日本時間29日)】WWE初となる女子だけのPPV大会「エボリューション」で行われたロウ女子選手権は王者で元UFC女子世界バンタム級王者ロンダ・ラウジー(31)がベラ・ツインズ(ニッキー、ブリー)の謀略攻撃に悩まされながらも王座を防衛した。

 記念すべき女子だけの大会でメインに立ったロンダは、裏切り行為を働いたニッキーの挑戦を受けた。鬼のようないつものアイシャドーを施し、開始から突進。背負い落としを決めると、首投げから背後に回り右腕を決める。あえて勝負には行かず、姉妹の動向を見る作戦のようだ。

 案の定、場外でブリーが介入。リングに戻ると強烈なスリーパーに捕らえられた。リングサイドからはブリーが「お母さんに助けを求めたら?」と罵声を浴びせる。さらには場外の鉄柵攻撃からニッキーが首4の字固め、コブラツイスト。ロープに逃れればブリーのパンチが飛んでくる。プロレス流の洗礼が延々と続いた。こんなに弱々しい表情のロンダはちょっと記憶にない。

 しかしコーナーからの雪崩式スーパースープレックスは回避。逆に最上段から決死のボディーアタックを放つも、かわされてしまう。しかし意を決したロンダはニッキーをスタンディングリバース肩車で担ぎ上げる。しかも手を伸ばして救出しようとしたブリーまで担ぎ上げ、驚異のパワーで2人を後方に投げ捨ててしまったから場内の歓声は大爆発した。

 うるさいブリーを場外に葬るとロンダの猛攻が始まった。ベラバスター(顔面砕き)を浴びるも、コーナーに立ったニッキーの左腕を取るや、ケンドー・カシンのような雪崩式アームバー。一瞬、ホールドは崩れたが、すぐさまロンダは「これで終わりよ!」と通告した後、場内に見せつけるように左腕にアームバーを決める。ニッキーはすぐさまタップし、事実上の1対2ハンデ戦をロンダ様が制した。

 笑顔で花道のファンと握手を続けるロンダ。しかし控え室では、バトルロイヤルを制したナイア・ジャックス(34)が厳しい表情でその様子をモニターで眺めていた。29日(日本時間30日)のロウ大会で早くも次の動きがありそうだ。最後は出場者全員がステージに集合して歓喜のポーズ。史上初となる女子だけのPPV大会は、大成功のうちに幕を閉じた。