WWEの女子トーナメント「メイ・ヤング・クラシック2018」準決勝が24日(日本時間25日)放送され、“天空の逸女”紫雷イオ(28)が、初代NXT・UK女子王者のリア・リプリー(22)に逆転勝利。元ワールド・オブ・スターダム王者のトニー・ストーム(22)が女子プロレス界の横綱・里村明衣子(38)を撃破したことで、日本が誇るかつてのスターダムの黄金カードが、決勝戦で再現されることになった。

 イオは173センチの長身を誇るリプリーの多彩かつ斬新な攻撃に苦戦。長い手足を生かした打撃から、スリーパーを決めながらのストマッククロー、さらには髪を引っ張りながらのボディーシザースなどセオリー無視の攻撃に防戦一方となった。

 しかしエルボー連打でピンチを脱すると、場外へのトペ・スイシーダで流れを変える。掌打式のアッパーカット4連打から619を決めて高角度のミサイル弾。勝負を狙ったムーンサルトは雪崩式脳天砕きに返されるも、すぐさまランニングダブルニーから2度目の月面水爆を完璧に決め、イオがここ一番の集中力を発揮して決勝進出を決めた。

 イオは「絶対に私が世界一になる! サンキュー・ソー・マッチ!」と絶叫。NXT女子王者でかつての盟友カイリ・セイン(29=宝城カイリ)の祝福を受けた。

 ストーム―里村戦は2月18日スターダム後楽園大会(時間切れ引き分け)以来の対戦となり、開始はハイレベルな関節の奪い合いに。まず里村がキック連打で抜け出した。しかしストームは変型STFで1分以上も絞め上げてスタミナを奪った。その後もストームはストロングゼロ、里村はデスバレー弾、スコーピオ・ライジングとお互いの必殺技を出すも、カウント3だけは許さない。

 最後は里村がデスバレー弾の態勢に入ると、巧みに肩上で体を入れ替えたストームがストロングゼロを決めて3カウントを奪取した。試合後は日本スタイルでお互いが正座して一礼。敗れた日本のリビングレジェンドには「サンキュー・メイコ!」のコールが巻き起こった。ストームは「まるで夢の中にいるようだわ。皆さんの声援に感謝します」と今週も号泣しながら優勝を誓った。

 ステージでは最高責任者のトリプルH(49)がイオとストームの健闘を称賛し、2人の手を上げた。第1回はカイリが優勝しており、イオが勝てば日本人が2年連続制覇の快挙がWWEの歴史に刻まれることになる。

 決勝戦は女子だけのPPV大会「エボリューション」(28日、ニューヨーク)で行われ、同大会は日本時間29日にWWEネットワークでライブ配信(日本語実況付き)される。