【テキサス州サンアントニオ16日(日本時間17日)発】WWEのPPV大会「ヘル・イン・ア・セル」で、WWE史上でも例のない残虐な光景が展開された。

“黒いロックスター”中邑真輔(38)のライバルでもある“毒蛇”ランディ・オートン(38)とジェフ・ハーディー(41)のセル戦は、25分の大激闘の末、オートンが辛勝した。

 両雄はイス、三脚のラダーをフル活用し、試合はカオス状態に陥る。そして衝撃は15分過ぎに訪れた。毒蛇はドライバーを取り出すと、ジェフの左耳のピアスの穴にネジ込んで、耳をひきちぎろうとしたのだ。ジェフはまるで絞殺されそうな人間のように、目をカッと見開いて恐怖におののく。惨事寸前でジェフが逃げ切ったものの、オートンの狂気すら漂う攻撃に場内は声を失った。

 最後はジェフが、ラダーで天井に上り机上へのボム葬を狙ってダイブを敢行するも自爆。戸惑いながらもオートンがカバーに入って3カウントが入った。ジェフはストレッチャーで全身を固定され、救急車で運ばれた。

 この日、中邑の姿はなかったものの、オートンがジェフ戦で見せた狂人的な攻撃をUS戦でも発揮すれば、防衛は危うい。激闘を終えたオートンは勝ち誇るポーズもなく、グッタリとした表情で引き揚げた。トライアングル抗争は新たな展開に突入しそうだ。