【ブルックリン20日(日本時間21日)発】WWEのロウ大会が開催され、前夜の「サマースラム」で新ロウ女子王者となった元UFC女子世界バンタム級王者のロンダ・ラウジー(31)が凱旋を果たした。

 ロンダはアレクサ・ブリス(27)をアームバーで仕留めてブロック・レスナー(41)以来2人目、女子では初となるWWEとUFCダブル制覇の快挙を達成。この日はステファニー・マクマホン・コミッショナー(41)がベルトをリング上の祝壇に設置。女子全選手を集め、贈呈式を開始した。ところが出てくる言葉は「私の教えでチャンピオンになった」など自慢話ばかり…。案の定、その後に登場したロンダと口論になった。

 ロンダは「私はレスナーじゃない。毎日戦い続けるチャンピオンでありたい。ここにいる女子選手全員のおかげだと思います」と殊勝にスピーチするや、すぐさま権力者にホコ先を向ける。「アンタは何様? 私はアンタの力でチャンピオンになったんじゃない!」と鬼の形相で反逆の姿勢を貫いた。

 最初は祝勝ムードを装っていたステファニーだが、このひと言で本性を現す。大げさに左腕をアイシングした前王者のアレクサの肩を抱くと、全女子選手に向かって「かわいそうなアレクサ。この女はアレクサのヒジをあらぬ方向にヘシ曲げた。あんなのはプロレスじゃありません。この女はアンタたちの腕を折ることしか考えていないのよ!」とほとんど中傷でしかない忠告を放った。

 これにはロンダも激怒。ステファニーを投げ捨てると、またまたアームバーで権力者の左腕を決めてしまった。金切り声を上げてリングを下りるステファニーに、アレクサ一派の5人が歩み寄る。一方、ロンダはルーキーらしからぬ堂々たる態度で「今こそ本当の革命に向けて結束すべきよ!」と、正当な価値観と判断力を持った女子選手に共闘を呼びかけた。明らかに女子初のPPV大会「エボリューション」(10月28日、ニューヨーク)に向けてのものだ。

 結果的には盟友ナタリア(37)、復活したベラ・ツインズ、サーシャ・バンクス(26)、ベイリー(29)ら計7選手がロンダの呼びかけに呼応。ロウ女子正規軍として戦っていくことが確実となった。

 王座奪取からわずか一夜で、ロウのかじ取りまで担ったロンダ様。31日の日本公演(エディオンアリーナ大阪)ではアレクサとの再戦も決まっている。最強女王がプロレスラーとして、本格的な戦いを始める。

 また怒れるステファニーはロンダの行動についてカート・アングルGM(49)の責任を厳しく追及。GMに無期限休暇を強制的に命じ、巡査役バロン・コービン(33)を代理GMに任命した。