【ブルックリン19日(日本時間20日)発】WWE真夏の祭典「サマースラム」が開催され、WWEユニバーサル王座戦は大混乱の展開の末、ロウのエース、ローマン・レインズ(33)が“ビースト”ブロック・レスナー(41)を撃破。約1年4か月に及ぶレスナーの長期政権に終止符を打ち、悲願の同王座初戴冠を果たした。

 4月8日の「レッスルマニア34」ではF5連打の前に完敗を喫したレインズ。レスナーは来春のUFC復帰が確実視されており、負けは絶対に許されない。いつも以上に意を決した表情で「大型犬」は決戦のリングに上がった。対する王者は余裕すら漂わせ、ベルトを誇示した。

 ここでまさかの“乱入者”が現れた。「MITB」優勝者で権利証(いつでもどこでも王座に挑戦できる権利)を保持する“巨獣”ブラウン・ストローマン(34)が権利証が入ったブリーフケースを手にリングイン。何とこの一戦の勝者に「キャッシュイン」することを示唆したのだ。

 怒りを全身から漂わせて巨獣をみつめるレスナー。その直後にゴングが鳴らされ、いきなりレインズが勝負に出た。スーパーマンパンチ4連打から必殺のスピアー連打。しかし2発目はフロントチョークで捕らえられてしまう。そのまま立ち上がったレインズはマットに叩きつけて難を逃れるが、王者は再度のフロントチョーク。これもレインズが何とか脱出した。

 エンジンがかかった王者はスープレックスシティ(スープレックス祭り)全開だ。リングサイドのストローマンに誇示するようにジャーマン3連打からF5一閃。立ち上がったレインズのスピアーもそのままロープ下のストローマンに通過させると、すぐさま巨獣にも場外でF5を見舞う。さらにはブリーフケースとイスで乱打。明らかに勝負をジャマされたことにイラ立っていた。

 しかしストローマンに注意が向いたことで、明らかに無敵のビーストにスキが生じた。リングに戻った瞬間、待ち構えていたレインズがトップスピードで渾身のスピアー一撃。文句のない3カウントが入ってレインズが王座奪取を決めた。

 歓喜の表情でベルトにキスするレインズ。巨獣の介入で水を差された感も強いが、とにかく悲願のユニバーサル王座奪取だ。鉄壁の“レスナー王朝”にピリオドを打った以上、エースとして王者として負けられない戦いが続く。