【テキサス州コーパスクリスティ5日(日本時間6日)発】WWEのスマックダウン(SD)大会で日本の男女挑戦者が明暗を分けた。PPV「マネー・イン・ザ・バンク(MITB)」(17日=同18日、イリノイ州シカゴ)でWWE王者AJスタイルズ(41)とのラストマンスタンディングマッチに臨む“黒いロックスター”中邑真輔(38)は、調印式の心理戦で圧勝。一方、SD女子王者カーメラ(30)に挑む女帝アスカ(36=華名)は、王者の蹴りで半失神の醜態をさらした。

 調印式はVIPルームで行われ、場内のタイタントロン(大型ビジョン)で生中継された。ペイジGMを中央にまずAJが契約書にサイン。「お前が俺を挑発し続けるのは、自分が勝てないと分かっているからだ。MITBでは、俺が王者のままリングを下りることになるだろう」と退屈そうな中邑に厳しく言い放った。

 すると中邑は大あくびをかます。王者に対し敬意のカケラもない態度の悪さだ。調印を迫られると「あ、インクがないや…」とブツブツつぶやいてペンを放り捨てる。さらにはAJにペンをねだると「これも壊れてるな…」と投げ捨てる始末だ。

 さすがにキレた王者は「何だその態度は。立てよ、この野郎!」と平手打ちを見舞って去ってしまった。痛がるそぶりを見せた中邑は、ニヤリと笑ってペンを出すやサラサラとサイン。「ラストマーン、スタンディング!」と言い残し部屋を後にした。GMは「ハア…」と深いため息をついたが、中邑が精神的有利に立ったのは事実。この余裕が試合でも続けば、待望の王座奪取は現実のものとなりそうだ。

 一方、アスカは強気が災いした。王者の配下マンディ・ローズ、ソーニャ・デビルと1対2ハンディ戦を自ら志願。ソーニャのスピアーを浴びてあわやの場面もあったが、マンディをリング下に突き落としてからソーニャをアスカロックで仕留めた。

 ここで王者がリングイン。アスカは背後から襲ってきたマンディを裏拳で沈めるも、背中を見せた直後にカーメラのスーパーキックで大の字となってしまう。性格の悪い王者は、後ろ足で砂をかけるポーズでベルトを誇示。「一度負けたアンタに用はないわ」と女帝を見下した。決戦まであと12日。1月の「ロイヤルランブル」W優勝に続く日本人男女同時戴冠に期待したいが…。