女子プロレス「スターダム」の宝城カイリ(28)が4日、東京・新木場1stRING大会でラストマッチに臨んだ。

 6人タッグのアーティスト・オブ・スターダム選手権で王者の宝城、小波、美邑弘海組は紫雷イオ、HZK、AZM組を相手に2度目の防衛戦に臨んだ。3人でイカリ(変型逆エビ固め)の競演を決めると、イオには裏拳の連発で追い込んだ宝城だったが、最後は美邑がAZMの回転足折り固めで敗れ、王座から陥落した。

「悔しい。だけどスターダムの未来が見えた」と話した宝城はすぐに気持ちを切り替えて「最後にお願いしていいですか? 全員と肌を合わせたい」と直訴。急きょ、1分1本勝負の10人掛けマッチが行われた。2013年4月29日の引退試合(両国)前に師匠の愛川ゆず季が行ったことがあり、宝城も希望していたことだった。

 10試合目では愛弟子の美邑に惜別のダイビングエルボーを決め、3勝1敗6分けで終了。そして「宝とは何なのか探しながら、リングという大海原で戦ってきました。かけがえのない仲間、関係者の皆さん、家族、支えてくれたファンの皆さんとの出会いが、宝城カイリという海賊の一番の宝でした」とあいさつした。

 さらに「5年半、スターダムのリングで学んだことは必ず次に生かされると信じています。格好悪くても、笑顔で一歩一歩、進んでいければと思います」と涙をこらえながら強い決意を口にした。

 最後は大「カイリ」コールに包まれ、深々とおじぎをしてファンと仲間に別れを告げた。宝城はこの日付でスターダムを退団。今月中旬に渡米し、世界最大のプロレス団体、米・WWEに参戦すると見られる。