女子プロレス「スターダム」を退団する宝城カイリ(28)が31日、ラストマッチへの思いを激白した。世界最大のプロレス団体・米WWEに移籍するとみられる美女戦士は、4日の東京・新木場1stRING大会を最後に日本マットに別れを告げる。同大会では保持するアーティスト・オブ・スターダム王座の防衛戦が組まれたが、実はもう一つやり遂げたいことがあるという。

 スターダムラストマッチとなる4日の新木場大会では、6人タッグのアーティスト王者(宝城、小波、美邑弘海組)として紫雷イオ、HZK、AZM組を相手に2度目の防衛戦を行う。壮行試合に異例ともいえるタイトル戦が用意され「寂しさを感じずに走り切りたいですね。やっぱり勝って笑顔で終わりたい。相手にイオさんがいるっていうのも何かの縁だし」と静かに口にした。

 高い壁として立ちはだかり続け、同じく海外移籍の噂があるイオと最後の最後まで向き合うことに運命を感じている。だからこそ、感傷に浸ることなくファイターとしてリングに立つ決意は固まった。2012年1月7日のデビュー戦(対愛川ゆず季)と同じ会場だけに、最後にやりたいこともある。

「ゆず季さんが引退する時、全選手と1分ずつやって、いいなと思った。私も限られた時間で気持ちを受け取れたし、ゆず季さんの印象にも残ったと思う。私もやれたら」

 師匠の愛川は13年4月29日の引退試合(両国)直前の新木場大会で所属の全17選手と各1分1本勝負を行った。宝城はその舞台で愛川から“バトン”を受け取ったと感じた。だからこそ、同じように後輩たちに託したい思いが強く「終わりは始まりだし、この大会で未来のスターが出てくるかもしれない」と期待をかけた。

 一方で渡航準備は急ピッチで進められている。就労ビザの取得に現地の物件探し、英会話教材を使った語学学習にも励む。順調にいけば今月中旬に渡米する予定だ。すでに4日大会のチケットは完売。5月28日には都内で壮行会イベントが行われ、ファンは笑顔で送り出してくれた。

「日に日にカウントダウンの気持ちが強くなっています。いい形で送り出していただくからには、私も成長してきたい」。さまざまな思いを胸にしまい、日本マットに別れを告げるつもりだ。