16日の女子プロレス「スターダム」東京・後楽園ホール大会で旗揚げメンバーの一人、美闘陽子(びとう・ようこ=29)が約4年ぶりに現役復帰した。

 新調した青と白をベースにしたコスチュームで登場すると、まずは観客席に向けて一礼。大歓声に迎えられた美闘は、かつて同じユニット「全力女子」に所属した後輩・宝城カイリ(27)との一騎打ちで、持ち味を存分に発揮した。

 極真空手仕込みの重い蹴りをブチ込み、宝城を場外エスケープさせる。さらに10分過ぎには必殺の「ドールB」(回転式二段蹴り)を発射。決定打は与えられなかったが、何度も追い込む場面を作った。

 だが、4年間のブランクは大きく、次第に成長著しい宝城に押し込まれる。最後は13分51秒、ダイビングエルボー2連発でついに力尽きた。

 それでも会場には「美闘コール」が沸き起こり、宝城から「お帰りなさい」と声をかけられると、美闘は目を潤ませて「皆さん、ただいま すごいプロレスが好きなんだと分かりました。これからもスターダムの一員としてよろしくお願いします」と頭を下げた。

 旗揚げ戦(2011年1月23日、東京・新木場)では世志琥(22=現シードリング)とメーンを務め、実力と美貌を兼ね備えた

「将来のエース候補」として期待された美闘は、愛川ゆず季(33)とのタッグ「BY砲」では初代ゴッデス・オブ・スターダム王座を獲得したが、頸椎ヘルニアにより12年8月から欠場。同年10月31日付で現役引退したことが発表された。

 だが昨年からリングへの思いがよみがえり、4月29日後楽園大会で現役復帰を表明した。

「緊張で動けない部分があったけど70~80%は出せたかな。今後はシングル? タッグ? やるからには全部に対抗できる選手になりたい」と表情を引き締め、早くも次なる戦いに目を向けた。