女子プロレス「スターダム」の朱里(32)が、ワールド王者の林下詩美(22)を手玉に取った。

 緊急事態宣言の発令に伴い、春の祭典「シンデレラ・トーナメント」は、2回戦から準々決勝が14日の東京・後楽園ホール大会、準決勝と決勝は29日の東京・大田区総合体育館大会でスライド開催される。

 望みがかない2回戦で詩美と対戦する朱里は「すでに詩美ちゃんの中には朱里がいるんです。つまり『朱世界』(朱里の世界)の中に詩美ちゃんがいる。私が赤いベルトもハートも奪うつもりですから」と不敵な笑みを浮かべた。

 自信を深めたのが、タッグで対戦した仙台大会(4月29日)だ。15分時間切れドローに終わった試合後、詩美のベルトをなめ回すように見た朱里は、王者の唇を奪ってしまった。

 思いつきの行動だったとはいえ、不意打ちを食らった詩美は明らかに動揺。「あんな詩美ちゃんの姿は見たことがないくらい、かわいかった。そういう新しい林下詩美を出していきたいし、それを受け止めたい」としてやったりだ。

 これで心理戦で優位に立ったと自負する朱里が狙うのは、2回戦で王者を下してトーナメントを制覇し、堂々とワールド王座の挑戦権を得ること。

「(優勝者に贈られる)真っ赤なドレスを着て、真っ赤なバラを持って詩美ちゃんに告白したい。『赤いベルトをかけて試合してください』ってね」

 いよいよ団体最高峰王座へ一直線だ。