女子プロレス「スターダム」のジュリア(27)がゼロからの再スタートを切った。

 3日の日本武道館大会で中野たむとの「敗者髪切りマッチ」に敗れ、ワンダー王座からも陥落。第1試合からの出直しを志願した7日の東京・後楽園ホール大会ではキャップにサングラス、黒のへそ出しタンクトップにミリタリーパンツという装いで登場した。

 ファンの前で初めて丸刈りになった頭を披露したジュリアは、ゴキゲンです☆とシングルで対戦。序盤から顔面キック、ブレーンバスターなどを炸裂させ気合十分で、最後は3分3秒、岩石落としで勝利を収めた。

「入場する時はデビュー戦のような感じで緊張した。ここでリセットして、髪も生やしてまた一つひとつ階段を上ってメインイベント立てるようにやり直します。コスチュームは今までの黒いものが本当に似合わなくて。髪が生えてきたら変わってくると思うんで楽しみながらやりたい」

 逆襲に向けた第一歩を踏み出すと同時に、ベルトを手放したからこそできる戦いにも挑戦する。「これまでは自分のことを考えてきたけど、立場が変わったことで見方も変わって、今は女子プロレスをどうやって盛り上げていくのか考えている」と語る。

「スターダムって女子プロの中心という立場。注目が集まるからこそ『かっこいい』という意見もあれば、マイナスな意見も集まる。SNSなどで変にスターダムの選手が絡まれたり、今回の『髪切りマッチ』に業界や世間からよくない声があった。そんな声が今の女子プロ界の活性化をむしばんでいるのかな。今後はそんな世間や業界と戦っていくことを考えてる」と強い決意を口にした。

 ベルトと髪は失ったが、中心選手であることには変わらない。昨年度の東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」で女子プロレス大賞を受賞した女王が、今後は業界の底上げに着手する。