17日の女子プロレス「スターダム」後楽園ホール大会で、ワールド王者の林下詩美(22)が舞華を下しV2に成功した。

 序盤から苦しい展開となった。大外刈りや腕十字固めなど柔道技に幾度も悶絶。それでも三角絞めを強引に持ち上げて脱出するなど、持ち前のパワーでピンチを切り抜けた。そして最後は一瞬のスキを突いて逆転だ。スリーパーをロープを蹴った反動で脱出するとアルゼンチン式背骨折りからトーチャーラックボム、BTボムと畳みかけ3カウントを奪った。

 試合後は「舞華は本当に強くててこずったけど、赤いベルトのチャンピオンとして負けられなかった。次の防衛戦は3月3日の武道館。そこのメインでこの赤いベルトの防衛戦がしたいです」と叫んだ。するとそこにゴッデス王座も共に巻いたパートナー・上谷沙弥(24)が登場し挑戦表明。詩美もこれを了承したため3月3日の東京・日本武道館大会でのタイトル戦が決定的となった。

 武道館のメインへ突っ走る覚悟の詩美だが、その原動力は〝悔しさ〟だ。東京スポーツ新聞社制定「2020年度プロレス大賞」の女子プロレス大賞に〝白いベルト〟ことワンダー王座を持つジュリア(26)が選ばれ「メチャクチャ悔しかったです。悔しすぎて、家で何時間もジタバタしました。お姉ちゃんに電話して『プロレス大賞、ジュリアだったよ』って泣きの電話をしました」と語気を強める。さらに「赤いベルトが最高じゃないといけないんですよ! だから今年はそれを試合で証明し続けて、絶対に女子プロレス大賞を取りたい!」と珍しく感情をあらわにした。

 果たして、有言実行となるか。今年をさらなる飛躍の年にするためにも、まずは目の前の防衛戦を勝ち抜けたい。