女王の貫禄を示すことができるか。女子プロレス「スターダム」の9周年記念日大会(19日、後楽園)でワールド王者の岩谷麻優(26)がV2に成功。これで東京スポーツ新聞社制定「2019年度プロレス大賞」で女子プロレス大賞を争ったSareee(23=ディアナ)とのV3戦が確実になった。岩谷は元ノアの鉄人・小橋建太(52)との“約束”を胸に運命の女子頂上対決に臨む。

 スターダム史上初めてバルコニーまで開放された記念大会は、観衆の熱気に包まれた。旗揚げメンバーの岩谷にとって、団体の9周年はそのまま自身のメモリアル。ワールド王座のV2戦で渡辺桃(19)を迎えるや、蒼魔刀(ランニングダブルニー)、ピーチサンライズ(変型猛虎原爆)を耐え抜き、最後は鮮やかな月面水爆弾から二段式ドラゴンスープレックスホールドにつないで3カウントを奪取した。

 試合後は「これからも皆さんの人生、一緒に過ごせたらと思います! 赤いベルト、誰でも挑戦受けます!」と豪語。するとビジョンにSareeeが登場し、ビデオメッセージで「ベルトに挑戦します。熱い戦いを正々堂々とやりましょう」と宣戦布告だ。

 2人は昨年12月のタッグ戦で初遭遇し、時間切れドローに終わった。女子プロレス大賞では、賞取りを公約したSareeeではなく岩谷が受賞した“因縁”もある。「一番苦手なタイプだけど、やるしかないよね。何でも受け入れる自信がある」と返答し、2月8日後楽園大会でのV3戦が決定的になった。

 女王としての自覚も強まっている。プロレス大賞の授賞式(16日)では、初対面の小橋に鉄人プロデュース興行「Fortune Dream」出場を直訴した。「自分のムーンサルトプレスは小橋さん寄りだとファンの方に言われていたので、いつかご本人の前で披露したい」という思いからだった。同興行は例年6月に開催されており、そこまで赤いベルトを失うわけにはいかない。アイコンが、2020年の女子プロ界をけん引する。