女子プロレス「スターダム」の岩谷麻優(26)が27日、新体制でのエース就任を誓った。11月4日の後楽園ホール大会では、赤いベルトことワールド王座を保持するビー・プレストリー(23)に挑戦する。自らアピールして決まった一戦だが、一方では葛藤もあった。

 2017年6月に紫雷イオ(現WWE)を破り同王座を初戴冠するも、同年9月に行われたトニー・ストームとのV3戦で左ヒジを脱臼。わずか2分20秒で王座から陥落したためだ。「あの試合から赤いベルトって、トラウマなんです。去年のケガ(左膝内側側副靱帯断裂)から爆弾を抱えたままっていうのもあり、なかなか踏み切れなかった」

 それでも行動に移したのは危機感に他ならない。2月に米ROHの女子部門でWOH王座を獲得し、4月に米ニューヨークのマジソンスクエア・ガーデンでタイトル戦を行うなど好スタートを切った19年だったが、ヒザの治療に専念するため4月中旬から約2か月の欠場(5月に1試合限定復帰)を強いられた。「このままだとあの日がピークで、あとは下がるだけになっちゃうと思って。怖いけど挑戦しようと決めた」と振り返る。

 また、17日にスターダムは新日本プロレスの親会社「ブシロード」のグループ会社「キックスロード」と事業譲渡契約を締結したと発表。東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」の選考委員会も控えており「今年はいろいろありましたけど、最後に赤いベルトを取れば大賞、いけるんじゃないですか!? ベルトも女子プロ大賞も取って、新体制でも看板を背負いますよ」と表情を引き締めた。


 この日の東京・新木場大会では軽快な動きを披露し「必ずビーを倒します」とファンに約束。猛烈な追い込みで女王の座を奪う。