“ビッグルーキー”が世界に進出する。女子プロレス「スターダム」は24日、来年4月5日に初の米ニューヨーク大会を開催すると発表した。これにいち早く反応したのが東京スポーツ新聞社制定「2018年度プロレス大賞」で新人賞を受賞した林下詩美(20)だ。この日の東京・後楽園ホール大会ではタッグのゴッデス・オブ・スターダム王座のV1に成功し、米国大会ではメインの座を狙う。

 年内最終興行のメインで詩美は、渡辺桃(18)とのゴッデス王者として、鹿島沙希(25)、中野たむ組を挑戦者に迎えた。当初の相手は岩谷麻優(25)、鹿島組だったが、左脚の「内側側副靱帯断裂」で欠場となった岩谷に代わり中野が入った。

 試合は終始、王者ペース。好連係で圧倒して支配するや、最後は詩美がアルゼンチン式背骨折りに捕らえた鹿島を、そのまま豪快に投げ捨てる「トーチャーラックボム」で沈めた。

 勝利で締めくくり「新人賞もいただけて最高の一年になりました。自分には2年目のジンクスなんてない。来年もどんどん進化していきますのでよろしくお願いします」とファンにあいさつした。その後、スクリーンではニューヨークのNYCアリーナでの単独興行開催が発表された。

 2015年10月にロサンゼルス大会を行ったスターダムにとって、2度目の米国大会となる。今回はWWEの祭典「レッスルマニア35」(来年4月7日、ニュージャージー州)に合わせて各団体の大会が集中する「レッスルマニアウイーク」に開催。6月には英国遠征も行われる。

 これもWWEに移籍したカイリ・セイン(30=宝城カイリ)と紫雷イオ(28)の存在が大きかったという。ロッシー小川社長(61)は「彼女たちが(WWEの女子トーナメント)メイ・ヤング・クラシックで活躍してくれ、あちらのファンがスターダムに興味を持ってくれた。2人とも『スターダムってアメリカでも結構有名ですよ』と言っているしね。詩美が新人賞を取ったのも大きいですよ」と説明した。

 海外大会について詩美は「そもそも外国に行ったことがないので楽しみ。アメリカのファンは熱いイメージがあるので楽しい試合で沸かせたい。もちろんメインは(所属ユニット)クイーンズ・クエストのみんなで。いやー、全米デビューですね」と目を輝かせた。

 さらに「イギリスも行きたいです。でも、イギリスってアメリカのどの辺にあるんですか?」と大器ぶりを炸裂させた。19年は団体とともに大きな飛躍を遂げそうだ。