女子プロレス界のエース・紫雷イオ(28)が29日、都内ホテルで会見し、本紙既報の通り、6月17日の東京・後楽園ホール大会を最後に所属の「スターダム」を退団し、世界の舞台に挑戦すると発表した。

 金屏風の前に黒のミニスカートに白いジャケット姿で登場すると「今後のプロレス生活のさらなる飛躍を目指して、スターダムを退団させていただくことになりました。突然の発表となり、残り数試合ですが、全ての試合に全身全霊をささげますので、最後まで見届けていただければ幸いです」と報告した。

 退団後の次なるステージについては「ここ数年で、紫雷イオが日本の女子プロレスでトップクラスだと言っていただいたり、世界クラスと言っていただく声があり、誇らしい気持ちでいっぱいなんですけど、それを別の道で証明というか、たくさんの人に見てもらえる場所に行きたいと思いました。18歳の時に漠然と世界のリングに立ってみたいと思った記憶がある」と説明した。

 具体的な移籍先は明言しなかったものの、世界最大のプロレス団体「WWE」であることは確実だ。また、会見に同席したスターダムのロッシー小川社長(61)は「これからは、この経験以上のことをもっと大きな舞台で、一足飛びに成し遂げてほしいなという気持ちでいます」と話した。

 日本ラストマッチとなる6・17後楽園大会では岩谷麻優(25)との名コンビ「サンダーロック」を1年7か月ぶりに復活させ、「大江戸隊」の花月(25)、葉月(20)組との対戦が決定。「サンダーロックは、私の中でクオリティーとして史上最高といえるタッグ。気持ち的にも麻優のことはかわいくて仕方ない。いいタッグだったので、最後は麻優だなって」。イオの希望によるカードが壮行試合で実現する。

 最後は「自分のプロレスに自信を持っている半面、飛び込んだことがない世界に挑戦しようとしているので、プレッシャーがないといったらウソになる。ただ、私を成長させてくれたスターダムが温かく送り出してくれるからには、裏切らない活躍をしなきゃなという意気込みだけは、死ぬほどあります」と誓い、穏やかな笑みを浮かべながら会見を締めくくった。