女子プロレス界の横綱・里村明衣子(37)が10日、2018年のテーマを「国内鎖国」と「シングル奪還」に絞り込んだ。

 17日のセンダイガールズ東京・後楽園ホール大会で、里村はアジャ・コング(47)との最強コンビでワールド王者の橋本千紘(25)、浜田文子(36)組と激突する。初代王者の里村は昨年10月、橋本に敗れ王座転落。9月の挑戦も失敗に終わり、1年以上も王座から遠ざかっている。

「今回の狙いは一つしかない。橋本から取って挑戦につなげる。今の私はベルトを奪うことしか考えていない。新時代が台頭してますが、後輩には何も継承するつもりはない。それぞれが自分の色を出し、仙女という看板を継続させればいい」

 女子プロ界はユニットやグループの増加で、再び興行乱立の時期を迎えた。「地方から世界へ」をテーマに発展してきた仙女も過度期に入りつつある。そこで「団体だけでできる人数(7選手)が揃った。ボーダーレスになっている今だからこそ、仙女は独走します」と断言。独自のカラーを強調するため他団体との交流を絶ち“国内鎖国”に入るという。ただし視野が狭くならないよう海外遠征は積極的に行う方針。10日には単身、英国遠征に旅立った。

 17日には初のエッセー集が刊行される。働く30代、40代の女性に向けられた内容で「頑張っても報われない時、どう立ち向かうか。その心を込めました。成功話は一つもないです…」と22年間のレスラー生活で経験した経営難、失職、低迷期、震災、恋愛、借金などについて初めて赤裸々につづった。「来年が団体にとっても個人にとっても勝負になる」。4月には東京でビッグマッチも浮上。もちろん大舞台のメーンには自分が立つ決意だ。