女子プロレスラーの里村明衣子(36=センダイガールズ)が、東北の“真の復興”に向けさらなる尽力を誓った。


 東日本大震災から丸5年を迎えた11日、里村は自身が代表を務める仙台女子新宿フェイス大会のメーンに出場。「~あの日を忘れない~」と銘打たれた大会通り気迫のこもった激闘を朱里(27)と繰り広げ、最後は見事な白星を挙げた。


 この日は第1試合前に震災の被害者と、3日に47歳の若さで急逝したハヤブサさんにささげる10カウントゴングと黙とうが行われるなど、震災を強く意識した大会になった。仙台を拠点に東北での活動を主とする里村にとって、復興は常に隣り合わせだった。


 現状について里村はこう話す。「建物とかは、時とともに元に戻ってきている。でも、人の心はなかなか震災から離れられずにいるのが現状です。(東北には)心の傷を今も引きずっている人がたくさんいるんです」


 そんな傷ついた人々を癒やすため、プロレスで少しでも協力しようという里村は「この5年間、自分は前しか向いてこなかった。一度も振り向いたことはない。傷ついている人も、まわりに前向きな人がいれば傷が癒えるかもしれない。私はプロレスを通してそういう力に少しでもなりたいと思っています」と語気を強めた。


 仙女では震災以降たびたびチャリティーマッチを行い、さらにビッグマッチには仮設住宅に生活する人や小学生を無料で招待してきた。それもこの里村の「傷ついた人々に前向きな姿を見せる」という思いからだ。里村は「今後もそういった活動は続けていきます」と断言する。


 東北全ての人々の心が癒やされない限り、里村の活動に終わりはない。