【リングを彩る魅惑の女子ファイター】最弱から最強へ。女子プロレス「センダイガールズ」の岩田美香(23)が、約1年ぶりの復帰に向けて奮闘している。昨年6月の試合中に首を痛め、長期欠場を強いられた。重度の頸椎ヘルニアで、一時は引退を考えたほど肉体的、精神的にどん底まで落とされた。「心が完全に折れました。朝起きると首から全身にしびれが走り、食事もままならない。プロレスどころではなかった。まず生きることに必死にならなければならなかった」

 里村明衣子代表(40)に退団して帰郷したいと申し出ると、「何も考えないで治してこい」と言われた。福岡の実家でリハビリ生活に入り、母・未央さん(45)と高校生の弟・一将さん(18)が支えてくれた。「母親は一人娘が帰ってきてくれてうれしかったみたいで、毎日おいしいご飯をつくってくれた。弟も日常生活であれこれ助けてくれ、4か月間は何もせず一気に太りました」と振り返る。

 状態は回復してきたものの練習再開には至らず、筋肉質だった54キロの肉体は67キロまで増加。そんな中、ある出来事で気持ちを駆り立てられた。「10月の仙台大会で久しぶりにイベントに参加したんです。そしたら太ったせいでSNS上で『胸、盛ってる?』と言われたんです。あれで火がつきました」

 Bカップが単に肥満化しただけなのに、Cカップに偽装したかのような言葉が乙女の心に突き刺さった。実家に戻るとプロ入り前から通う格闘技道場で肉体改造に取り組み、一気に体を仕上げた。1月9日から合同練習にも加わり、復活への見通しが立った。

 復帰戦はデビューの地でもある5月17日新潟市体育館大会が濃厚。かつての相棒・橋本千紘(27)は優宇と「チーム200キロ」を組んでおり「今後は橋本の対角線上に立つ。勝ち気だけど勝てなかった岩田美香は死んだ。筋量も変わった。復帰後は最強を目指します」。

“美仙女”がパワーアップして帰還する。