センダイガールズが初めて開催した「ロイヤルタッグトーナメント2019」(12日、東京・後楽園ホール)は、ワールドタッグ王者の令和アルテマパワーズ(DASH・チサコ、松本浩代)が初優勝。準優勝に終わった怪物・橋本千紘(27)、優宇(年齢非公表)の「チーム200キロ」は圧巻の存在感を発揮し、次期タッグ王座挑戦権を視野に入れた。

 日大レスリング部出身の橋本が88キロ、高校時代に柔道でインターハイ出場の経験を持つ優宇が90キロ。対するはベルトを持った裏番長と、米国WWE女子も恐怖のどん底に叩き込んだ女ゴジラ。人間の英知と想像力をはるかに超えた哺乳類(♀)4頭が、サファリパークと化した後楽園のリングで躍動した。

 準決勝では優勝候補筆頭の里村明衣子(39)、朱里(30)組の蹴りに耐え抜き、橋本が師匠の里村をラリアート葬。勢いに乗るチーム200キロが終始試合を支配したものの、最後は試合巧者のチサコが必殺のホルモンスプラッシュ一撃。ワンチャンスをモノにして優宇を沈めた。

 辛勝ながらも王者の意地を見せた“裏番長怪物コンビ”は、準決勝戦(KAORU、永島千佳世組戦)が急きょハードコア戦に変更され、予想外のダメージを負っての決勝戦となったが、王者の意地を見せた。

 王者組は「心が折れそうになった。すんげえ、いいチームだったね。いつでも挑戦を受けるよ。次は(ワンデートーナメントではなく)堂々とタイトルマッチ1試合で戦いたいね」(チサコ)、「日本女子プロ界はベルトが乱立してるけど、ワールドタッグ王座だけは特別な存在にする。誰でもカンタンに挑戦できるベルトなんてベルトじゃない。全部食っちゃうぞ、ガオーッ!」(松本)と雄たけびを上げた。

 敗れはしたものの、チームとして女子プロ史にほぼ前例のない圧巻の存在感を証明した怪物は「年内にも挑戦したい。そのときまで200キロになってやる!」と合計22キロの増量と王座奪取を改めて誓った。

 トーナメント優勝は逸したが、この日一番の輝きと常識外の攻撃を見せたのがチーム200キロだったのも事実。ビジュアル化&アイドル化が進む現在の女子プロ界に対するアンチテーゼとして「動ける大型動物コンビ」は一気に女子プロ界の農道、いや王道をひたすら猛進する。