ノアの天才・丸藤正道(38)が必勝の十字架を背負った。10月1日の神奈川・横浜文化体育館大会でGHCヘビー級王者エディ・エドワーズ(33)に挑戦する丸藤は、自らに課された奪還請負人としての使命をまっとうすることを約束。昨年1月31日の同会場で王座陥落して以来となる、4度目の王者返り咲きを狙う。

 30日、丸藤は東京タワー大展望台の「Club333」で行われたGHCヘビー級戦の公開調印式に出席。ベルト奪取への期待を示すように、ファンから大歓声で迎えられた。

 表情ひとつ変えずに会場を見渡すと「ホームリングでやるべきことは分かっている。久々にあのベルトを腰に巻いて、新たな丸藤伝説を作りたい」と自分に言い聞かせるように口にした。

 王者のエドワーズは8月26日の後楽園大会で中嶋勝彦(29)のV8を阻止し、新王者になった。もともとノアの練習生だった選手で、創業者の故三沢光晴さんや丸藤に対しても尊敬の念を抱いている。当時を知る丸藤としては、外国人初のGHCヘビー級王者に上り詰めたエドワーズの成長を喜びながらも、試合ではその感情を一切封印する。

「海外に流出したという形なので、危機感を持たなきゃいけない。彼がベルトを取って海外に帰っている間、ノアの全会場でこのベルトを見せられなかったのは確かだし」

 2014年7月5日の有明大会では、新日本プロレスの永田裕志(49)に流出していた同王座を奪還した。さらに鈴木軍のボス・鈴木みのる(49)の手にあったベルトを15年12月23日の大田区大会で取り戻したのも丸藤だった。

 26日に38歳の誕生日を迎え、団体内でもベテラン勢の域に達した。だからこそ与えられた使命は十分に自覚している。写真撮影後には互いの健闘をたたえるように握手を交わした丸藤。「彼のノアに対する、三沢さんに対するリスペクトは尊重しつつも、俺が上だというところを見せたい」。杉浦貴(47)に敗れて最後にベルトを失った横浜の地で、1年8か月ぶりの王座返り咲きを果たすつもりだ。