ノア4日の後楽園大会で、GHCヘビー級王者の中嶋勝彦(29)がモハメドヨネ(41)を下し5度目の防衛に成功。大会前に追悼セレモニーが行われた故三沢光晴さん(享年46)を理想の王者像に掲げ、さらなる進化を誓った。

 三沢さんが2009年6月13日の広島大会で急逝する前年の08年、当時20歳でジュニア戦士だった中嶋は7月13日の博多大会、12月7日の武道館大会で2度シングルで対戦。いずれもエメラルド弾に沈んだ。中嶋は「三沢さんは僕の攻撃を全て受けきった上で叩きのめしてくれました。エルボーがとても重かったのが印象的です…」と当時を振り返る。

 現在は三沢さんが初代王者として君臨したGHCのベルトを巻き、団体のトップに君臨する。それだけに「三沢さんに安心してもらえる王者になりたい。三沢さんのように挑戦者の全てを受けきった上で勝ち続ける。(故人が)常に新たなものを吸収し続けたように、僕も成長し続ける王者でありたい」との決意を固めている。

 この日はその思いを胸にヨネの強烈な打撃を受けきって、最後はバーティカルスパイクで3カウントを奪取した。早くも次期挑戦者決定戦で拳王(32)を下した小峠篤司(31)を相手に、25日の福島・ビッグパレットふくしま大会でV6戦を行うことも決まった。天国の三沢さんに認められる王者になるまで、中嶋は止まらずに疾走を続けるつもりだ。