ノア4日の後楽園ホール大会でGHCヘビー級王者・中嶋勝彦(29)に挑戦するモハメド・ヨネ(41)が1日、ベルト奪取への秘策を明かした。

 ヨネはこの日、埼玉県内に完成したばかりのノア新道場で、復帰目前の相棒クワイエット・ストーム(33)と合同特訓を敢行。ストームは昨年12月に「右上腕二頭筋腱断裂」の重傷を負ってから欠場が続いており、久々の合同特訓となった。しかし内容は、ストームが太い右腕でひたすらヨネにラリアートを打ち込む異様なもの…。約30分間の特訓を終えたヨネは「ストームは右腕の回復を確かめるため、自分は持ち味である耐久力をアップさせるために行った」と説明した。

 王者とは前哨対決で激しい打撃戦を繰り広げたヨネは「若いころを思い出した。彼に勝つには藤原組で培った技と耐久力を発揮するしかないと思った」と断言。1995年8月に藤原喜明組長(68)率いる藤原組でデビューしたが「非科学的な練習も多かった」と当時を振り返る。

「バットで体を殴ったり、酒を飲んだ後に深夜2時からスパーリングで先輩にボコボコにされたりした。あの日々が自分の耐久力を養った。初心を取り戻すためストームに殴ってもらった。ストームの腕はバットより強烈だから」(ヨネ)

 つまり今回のタイトル戦では原点に戻るつもりだ。「藤原組時代に習得した関節技を出すことも考えている」とも言い切ったヨネ。「ヨネが取ったらワタシが挑戦します」というストームの期待に応えるためにも、王座奪取は責務となった。