ノアのGHCタッグ王者・杉浦貴(46)が10日、初防衛戦(14日、後楽園ホール)にかける思いを激白した。拳王(32)と王座を保持する杉浦は丸藤正道(37)、マイバッハ谷口(40)組の挑戦を受けるが、うだつが上がらない谷口に対して最後通告。一方、来月31日に47歳の誕生日を迎える杉浦は心身ともに絶好調で、目標とする先輩レスラーたちが原動力になっているという。

 極悪男の言葉は厳しかった。都内のノア事務所で、不在の内田雅之会長(55)の席でふんぞり返った杉浦は、初防衛戦について言及。「丸藤は認めるけど谷口は何? 危機感が感じられない。自分が置かれた状況を分かってるのか?」と吐き捨てた。

 同じ自衛隊出身者としてデビューから目をかけてきた後輩だが、パッとしないまま40歳になった。しかもタイトル戦が決まった3月13日の会見中に谷口は、腹話術を披露。杉浦が挑発のために冗談半分で要求したこととはいえ、反論すらせずに間抜けな姿をさらしたことが許せなかった。

 だからこそ「上を目指す気持ちが感じられない。もう井上雅央(47)のようになるか、引退しかないな」と断言。今回の王座戦で引導を渡して「悲しき中年2号」として余生を送るか、引退するかの二者択一を迫る方針だ。

 一方で杉浦も5月で47歳。急速に若手が台頭する新生ノアでは大ベテランの域に達した。それでも迫りつつある世代交代の波に逆らうように、高い壁として君臨している。その原動力について杉浦はこう説明する。

「俺は30歳でこの世界に入った。その時に『20歳の新人と同格なんだ』と意識づけた。だから、今年は37歳という感覚。三沢(光晴)さんや小橋(建太)さんはその年齢の時、今の俺以上のものを背負って中心にいた。俺も『同じキャリアになったらトップにいないと』って思っていた」

 三沢さんが2000年にノアを旗揚げしたのが38歳の時で、当時の杉浦は練習生だった。また小橋がGHCヘビー級王者として「絶対王者」と呼ばれていたのが37歳の時だった。「だからあんなヤツにはベルトは渡せない」。自称「37歳」になる男は、まだまだトップ戦線に立ち続ける。