ノアの“獄門鬼2世”ことマサ北宮(28)が28日「グローバルタッグリーグ戦」(4月22日、新潟で開幕)に向けて早くも必勝態勢を敷いた。今大会は、2年連続でGHCヘビー級王者・中嶋勝彦(29)とのコンビで出場。初優勝への思いは強く、5か月前から「願掛け」をしていたことを告白。開幕前には師匠・マサ斎藤(74)との再会も浮上しており、タッグの奥義を授かる構えだ。

 北宮は25日後楽園ホール大会のメーンで拳王(32)との一騎打ちで完勝した。拳王の造反でGHCタッグ王座を剥奪された遺恨に終止符を打った格好だ。周囲の雑音が消えたことで、次の目標へ集中する環境が整った。4月に開幕するタッグリーグ戦(優勝決定戦は5月4日、後楽園)だ。

「中嶋さんと俺の(チーム)『ジ・アグレッション』は常に上昇を模索している。俺たちが時代をぶち壊して、優勝を持っていく」と自慢のあごひげをさすりながら誓った。実はこのひげこそが北宮の躍進を支えていた。

 昨年11月1日にノアが新体制になってからは一度も剃っておらず、現在は伸び放題。本人的には“超獣”ブルーザー・ブロディの風貌を意識していたが、団体内では「尊師」のニックネームで呼ばれているほど。これについては「まあ願掛けですよ。剃るのは、結果を残した時かなと。リーグ戦を優勝した時か、シングルのベルトを取った時か」と心に決めているのだ。

 さらにこの日は、うれしい知らせも届いた。4月7日に大阪・城東区民センターで行われるプロレス興行への出場が決まった。昨年12月の同興行ではパーキンソン病と闘う師匠のマサ斎藤がリングに立ったことが話題となり、今大会への来場も予定されている。約3年ぶりに対面する機会が訪れたわけだ。北宮は「マサさんは各国でタッグのベルトを巻いてきた。極意を聞いてみたいし、リーグ戦に生かしたい」と目を輝かせた。

 斎藤は米国でWWF(現WWE)タッグ王座など多くの王座を獲得。新日本プロレスではIWGPタッグ王座の戴冠歴がある。長州力や故橋本真也さんとのコンビは今でもファンの記憶に残っており“タッグ屋”としての実力は超一級だった。その奥義を学べばまさに「鬼に金棒」となる。

「俺は突き進むぞ!」と誓った北宮。師匠譲りの「ゴー・フォー・ブロック(当たって砕けろ)」の精神で、春の嵐を起こすつもりだ。