ノアの丸藤正道(37)が4日、W―1の武藤敬司(54)との合体に動いた真意を語った。丸藤からのラブコールに武藤が応え、世代の異なる2人の天才による初のタッグが実現。12日の横浜文化体育館大会に出撃するが、これまで接点のなかった武藤になぜ“ノアの天才”はラブコールを送ったのか。そこには、団体とともに生まれ変わろうとする思惑があった。

「“ずっと交わることはないだろう”と思っていたこともある。プロレス界にいても全くからまない人はいるわけだし」。初結成が決まった武藤との“天才タッグ”について丸藤は感慨深そうに口にした。

 誰もが驚くタッグ結成が発表されたのは2月14日。後楽園大会での試合後、丸藤のラブコールに武藤が応える形で実現した。しかし、なぜ武藤だったのか。その理由について「とにかく武藤さんから何かを吸収したい。その気持ちが強い」と説明した。

 ノアは今、激動の時を迎えている。新体制となり若手の台頭も著しい中、丸藤も「ノアだけじゃなく、オレも“新生”にならないといけない」と実感しているという。「試合内容を突然変えるとか、そういうのは難しい」との思いも抱えながら、生まれ変わりへの道を模索しているわけだ。

 そんな状況に武藤の存在はまさに適任だ。これまでリング上での接点がなかったことに加え「あの体の大きさで、あの動きで、マスクもあって。隣に立つことで何かつかめる可能性が高いと思った」と、丸藤に新たな“刺激”をもたらすことは確実な存在。丸藤自身も武藤とのタッグが自らにどんな化学反応をもたらすか予想もつかないという。

 タッグ結成が決定した2月14日に丸藤は「武藤さんには申し訳ないですけど、下心ありです」と話した。その具体的な内容について「それは言えないよ。それは当日を見てもらわないと」と不敵な笑みを浮かべるばかり。丸藤の視線が“3・12の先”にも向かっている可能性は高そうだが、果たしていったいどんな動きを見せるのか注目だ。