ノアのGHCヘビー級王者・中嶋勝彦(28)が24日、“破壊王襲名”を誓った。激しい打撃戦が確実視される潮﨑豪(35)との4度目の防衛戦(3月12日、横浜文化体育館)に向けて“破壊王”こと故橋本真也さん(享年40)の代名詞だった重爆キックを習得することを決意。ボディービルダーの指導のもと肉体改造にも着手しており、横浜決戦には真のヘビー級戦士として臨むつもりだ。

 王者は「彼の想像を超える蹴りで、今回のタイトルマッチを勝ちにいく。正直、俺の蹴りの前で彼のチョップは通用しない。それだけは言えますね」と涼しい表情で口にした。

 中嶋の「蹴り」と潮﨑の「チョップ」。激しく交錯することが確実視される一戦だ。先に潮﨑は、K―1戦士でヘビー級日本人最強の声が高い上原誠(32)を相手に、キック攻撃に耐える特訓を敢行した(本紙既報)。その情報をキャッチしても、王者は微動だにしない。確固たる自信があるからだ。

 実は今年に入ってから知人の紹介でトップクラスのボディービルダー、北井大五(45)のもとを訪れるようになった。中嶋は「今まではウエートトレーニングが嫌いで、自己流でやってた。でも、それじゃ、ダメだなって。体が小さいぶん、ちゃんとアドバイスを受けてパワーアップしたいと思った」とその意図を説明した。2月上旬で体重は88キロだったが、横浜決戦に向けて93~95キロまで増やす計画を立て、肉体改造に取り組んでいる。パワーアップを狙う理由も明快だった。

「あの蹴りはすごいと思った。あの体でキレもあるし、重さもある。あのインパクトを超えたいなって思って」と憧れのまなざしを向けるのが183センチ、135キロの体で重爆キックを武器に活躍した破壊王の姿だ。1990年代前半には、故橋本さんはミスタープロレス・天龍源一郎(67)と抗争を展開。逆水平チョップの名手である天龍を徹底した蹴りで追い込んだ。まさに潮﨑戦のイメージにピタリ当てはまるという。

 この日の後楽園大会では最後の前哨タッグ戦で潮﨑と対戦すると、激しい場外戦を繰り広げた。新生ノアの象徴は大きくレベルアップして横浜決戦へと向かう。