【ノア】GHC王座V1 勝彦支えた朝青龍の“恫喝事件”

2016年12月03日 16時30分

中嶋は強烈なドロップキックをみのるに突き刺した

 ノアのGHCヘビー級選手権(2日、東京・後楽園ホール)は王者の中嶋勝彦(28)が難敵の鈴木みのる(48)を撃破し、初防衛に成功した。「ノアvs鈴木軍」最終決戦と位置付けられた一戦に勝利したことにより、2年間猛威を振るった鈴木軍のノアマット退去が確実に。方舟の救世主となった男を支えるのは、約8年前に起こった元横綱朝青龍(36)の“恫喝事件”だった。

 

「負けたほうがノアを去る」――。事実上の敗者追放マッチとなった一戦は、序盤からスリリングな攻防が続いた。

 

 イス攻撃で右足を痛めた王者は厳しい戦いを強いられ、関節技地獄に苦しんだ。それでも決してタップはせず迎えた34分過ぎだ。

 

 ノアを守る決意を示すかのように創業者である故三沢光晴さんが武器とした各種エルボーを繰り出すと、最後はこの試合2発目のバーティカルスパイク(垂直落下式ブレーンバスター)で37分間の激闘に終止符を打った。中嶋は「守りました!」と絶叫した。

 

 不屈の魂が芽生えたのは約8年前のこと。2009年2月11日の健介オフィス後楽園大会で当時の王者・KENTA(ヒデオ・イタミ)を破り、GHCジュニアヘビー級王座を初戴冠した。その夜には芸能人やスポーツ選手らが数多く出席した祝勝会が都内で行われ、初場所で優勝した直後の朝青龍の姿もあった。

 

 ところが…だ。ベルトを持った中嶋は朝青龍から「お前なんか顔じゃねえんだよ!」と言い放たれたのだ。天下の横綱からの一喝により、伸びつつあった鼻はへし折られ、浮かれ気分は吹っ飛んだ。これで目が覚めた。

 

「悔しい気持ちがあった。でも、まだ知名度が低いし、もっともっと上を目指さなきゃいけないなって気付かせてくれた。あの言葉をもらったからこそ、今の俺がある。横綱には感謝してますね」(中嶋)。ことあるごとにあの言葉を思い出し、自分を戒めてきたのだ。

 

 一方、敗れた鈴木軍では内紛が勃発。試合後に杉浦貴(46)がみのるに反旗を翻し、3日のディファ有明大会で2人の「決別マッチ」が行われることが緊急決定した。

 

 いずれにせよ鈴木軍との長き抗争に終止符を打った中嶋は「今日、また新たな光をつかまえた。さらに輝かせるのはこの俺だ!」。今後も謙虚な心構えを忘れずに方舟マットをけん引する。