【ノア(23日、東京・大田区総合体育館)】ハレンチ王・杉浦貴(45)がまさかの造反行為で鈴木軍に寝返った。

 予兆はなかった。2000年12月23日の有明コロシアム大会でデビューした杉浦にとって、まさにこの日は15周年のメモリアルデー。デビュー戦時の入場テーマ曲に戻して飯塚高史(49)との一騎打ちに臨み、五輪予選弾で快勝した。

「来年の16年目は新しいスタートが切れれば」と殊勝な言葉を口にしたわずか3時間半後、態度は一変する。丸藤のGHC王座奪還により大団円に終わったメーン終了後、杉浦は握手を求めた直後、五輪予選弾で叩きつけて勝利者トロフィーを蹴散らしたのだ。

 そのまま花道で倒れ込んでいたみのるの元に駆け付け、黒い鈴木軍Tシャツに袖を通してしまったから場内は声を失った。みのるが示唆していた“時限爆弾”とは、杉浦のことだったのだ。「どういうことか? 知らねえよ」と吐き捨てた杉浦に対し、みのるは「ハハハ。テメーらの悪夢はまだ続くんだ」と高笑いを決め込んだ。