ノアのGHCタッグ王座を保持する〝マット界随一の偏屈者〟こと鈴木秀樹(42)が、初防衛戦(30日、東京・両国国技館)へ確かな手応えをつかんだ。

 同大会では杉浦貴との「杉浦軍」王者コンビで、「金剛」の中嶋勝彦(34)、拳王組を迎え撃つ。8日の後楽園ホール大会では中嶋とシングルで対戦。低空ドロップキック、ドラゴンスクリューを右脚に浴び、その後も強烈な蹴りに苦戦を強いられた。

 これでエンジンがかかった鈴木も「来いよ!」と挑発してからリング中央で打撃戦を展開。座った状態での張り手合戦では一歩も引かなかった。さらにフロントスープレックスから、必殺の人間風車を狙うが阻止されてしまう。ならばと飛龍原爆固めを決め、再びダブルアームの体勢に入るが、ここで30分ドローを告げるゴングが打ちならされた。

 2020年2月の一騎打ちに続き再びフルタイムドローに終わった鈴木が試合後に右手を差し出すと、中嶋も応じた。直後に鈴木は中嶋とセコンドの拳王にタッグベルトを誇示し、激しくにらみ合った。

 鈴木は「強い。今回はもっと強く感じた。僕はタッグマッチが下手くそなので、つかまる展開が増えてくるかもしれない。その場合にどれだけ受けられるのか1%くらい考えていたんですけど、途中で受けられなくなりましたね。なかなかないですね。首までこうしびれるというのは」と振り返った。

 それでも「試したところもあるし、向こうに試されたところもある。相変わらず僕の投げもきちんと受け身を取ってくるので、見た目ほど効果がないのかなと。ただ、それはわかっているので。見えたところと、予想以上だなという2箇所がありますね」と冷静に分析し、王座防衛へ自信をのぞかせた。