21日のノア・福岡国際センター大会で行われるGHCヘビー級選手権の調印式が17日、都内のホテルで行われた。王者でV1戦に臨む〝野獣〟こと藤田和之(51)と挑戦者の田中将斗(49)は会場で対峙すると着席もせず、そのまま無言でにらみ合い。実に35分を超える前代未聞の珍事となった。

 全身黒のスーツで先に会見場に姿を現した田中。続いて、肩にベルトをかけ、ハンチング帽にサングラス姿の藤田が入ってきた。両者はお互いににらみ合うと、そのまま微動だにせず。司会者の「お座りください」「ひと言お願いします」という切なる願いもまったく聞き入れず、会場は「シーン」と静まり返る異様な空気が流れた。

 10分経過、20分経過してもまったく両者は動かない。しびれを切らした司会者が「お二人、会見は終わりです。ご退場ください」と頼んでも無視。結局、35分が経過。最後は田中が藤田のサングラスを強引に取って投げ捨て、捨てゼリフを吐き会場から去った。

 最近は気味の悪い礼儀正しさを見せ、〝人間藤田〟に変身していた野獣だったが、やはり変わっていなかった。「ビール!」と要求。「嫌だねえ、あんなに怒っちゃってさ。あったかくなってきたからビールがうまいよね」と軽口を叩き、「ウゲッ」とゲップをかましながら、5杯を飲み干した。そして「お疲れ~! 次は福岡ね! うまいもつ鍋だね」と何事もなかったかのように退場した。

 一体どんな試合が行われるのだろうか…。