ノアの28日・国立代々木競技場第二体育館大会で、GHCナショナル王者の拳王(36)がGHCヘビー級王者の中嶋勝彦とそれぞれのベルトをかけたダブルタイトル戦に臨むも60分時間切れ引き分け。悲願だった元日の東京・日本武道館大会メイン出場の夢は露と消えた。

 金剛の同門対決はし烈を極めた。ともに蹴りを得意とするだけに、幾度もその打撃が交錯。試合は徐々にヒートアップし、終盤にさしかかると拳王はコーナー最上段からの投げっ放し飛龍原爆固めを放つ。だが中嶋からは体を空中で一回転されて致命傷とならず。追い打ちでPFSを放つもカウント2で返された。

 さらに中嶋からは雪崩式ダイヤモンドボムに顔面へのサッカーボールキックと猛攻を受ける。それでも2人は意地で立ち続け、最後は技を出し尽くした中嶋が師匠の佐々木健介をほうふつとさせるラリアートを2連発放ったところで時間切れのゴングが鳴らされた。

 勝って2冠王者として元旦のメインに立つことを宣言していた拳王は、この結果に「夢だった日本武道館メインの座、これで失ったな…」とまるで敗戦を喫したかの如く肩を落とす。試合後は3月から欠場していた潮崎豪が電撃登場し、中嶋への挑戦を表明。これを中嶋が認めたため元旦のメインで「中嶋VS潮崎」のGHCヘビー級戦が行われることが濃厚になったが「今まで、家でただただグウタラな生活していた奴、なんで出てくるんだ。俺はその間もノアのため自分のために体を張ってきたんだ。おいしいところはすべて持っていくのか。そんなんでアイアムノアだ? おれがノアだ? そんなこと言ってる場合じゃねえぞ」とかみつく。

 それでも王座を取れなかっただけに後の祭り。拳王は「またいつか、俺がテッペンを取ってやる。今日はビッグマッチのメインイベンターとして失格だな。また一からやり直してやるよ」と出直しを誓っていた。