ノアのシングルリーグ戦「N―1 VICTORY」が2日の後楽園大会で最終日を迎え、史上初となる中嶋勝彦の連覇で幕を閉じた。そんなリーグ戦でファンの話題をかっさらったのが〝悪魔仮面〟ケンドー・カシンだ。1勝2敗に終わったものの、その勝利は準優勝だった拳王から挙げた貴重なもの。しかもベテランの活躍に危機感を募らせた拳王が「プロレスリング・ノアが老人ホーム化している」と発言したことを受け、謎の論争も展開。彼はいったいどこに向かっているのか。結論が出ないことは分かっているが、一応直撃した。

 ――N―1が終わった。1勝2敗だった結果を振り返ってどうか

 カシン 何言ってるんですか。俺のN―1はまだ終わってないですよ。

 ――え?

 カシン 俺は一生、N―1で戦っていくつもりです。毎試合がN―1なんですよ。

 ――人生がN―1なんだと

 カシン いや、違う。1試合1試合に命は…かけてないけど、1試合1試合に全力集中で戦っていくっていうこと。

 ――今年のN―1の収穫は

 カシン 収穫は、ホントに、ノア・ケアハウスというか老人ホームというか老人クラブができそうな感じなんで。そこに征矢(学)選手がベッドをね、入れてくれればいいんだけど。(有名ベッドブランドの)CMに出てるんだから。

 ――ベッドさえ入れば完成は目の前だと

 カシン そうですね。拳王も小遣い稼ぎだなんだ(※リーグ戦の前日会見で「オッサンたちはノアを小遣い稼ぎの場所にしか思ってない」と発言)って言ってるくせに、なんだあの水道橋の駅にでっかいリーヴの看板。あれこそ小遣い稼ぎじゃないか。

 ――おや? 今後は拳王との抗争が始まる可能性が…

 カシン いや、始まってない。始まってない。

 ――そういえば、先日「杉浦軍4人で決勝トーナメントを戦おうって誓い合った」と話した。残念ながら、結局杉浦軍は一人も決勝トーナメントに進めなかったが…

 カシン (話をさえぎって)俺はそんなこと言ってないですよ。言ってない。ホントに言ってない。多分。

 ――今後の展望を

 カシン またノアの最下層に戻るんでしょうね。
 ――最下層…

 カシン 最下層っていうのはファンキーエキスプレスっていう、ノアの最下層に属するグループがいるんですよ。そことの戦いが再開されるかもしれない。

 ――ちなみに近況は

 カシン 今日(3日)の朝、ホテルでちょっと体動かしてからここ(後楽園ホール)に来たんだ。それで「あ、時間がない」って急いでエレベーターに行ったら、若い男女のカップルがやってきて、その女の子に「プロレスラーの方ですか?」って言われた。

 ――そうですか

 カシン それで「俺も有名になったもんだな」って思ってたら、「慶応で授業を取ってました」って。

 ――慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)で教えていたころの教え子だったと!

 カシン そう。教え子だった。「今日見に行きます」って言われて。ビックリしたけど、ちょっと、教員としてうれしかったですね。

 ――最後にRIZINに出場して惜敗した奥田啓介について

 カシン 奥田はあれが全てですよ。今後は世界最速を目指してほしい。2コンマ0秒。「OKUDA2・0」を。