ノア11日仙台サンプラザ大会で杉浦貴(51)との初防衛戦に臨むGHCヘビー級王者・丸藤正道(41)が名実ともに団体の象徴となる。約5年半ぶりに最高峰ベルトを巻いた王者は、日本武道館のメイン返り咲きと全国行脚による防衛ロードを目標に掲げ長期政権を誓った。

 長年にわたりともに団体を支えてきた杉浦との前哨戦は、目まぐるしい主導権の奪い合いとなった。「一手先二手先を読むというか、裏の読み合いをしないと結果につながっていかないという部分は試合をしていてよく分かっていて。あとは何かお互いが読めない部分を出したもんが勝つんじゃないかな」と決戦へ腕をぶす。

 団体は昨年、サイバーエージェント傘下の新体制に。副社長を兼務してきた丸藤は、この環境にかつてない追い風を感じている。「俺も副社長という立場ですけど、一選手としてリングに立つ環境を会社もしっかり整えてくれてますし。結果的には(ここまで)リングに、相手に集中してっていうのは、今回初めてなんじゃないかなと思いますね」。現在は、これまでの“雑念”から解放された状態のようだ。

 今年2月には約11年ぶりに武道館大会に再進出を果たした。丸藤は「次の武道館のメインには立っていたいですね」と目を輝かせる一方で「全国で防衛戦をしたいですね。東京に行かなきゃそれが見られないっていうのは悲しいので。ノアのプロレスを全国に伝えたい」。仙台決戦の次に控えるビッグマッチは8月1日広島大会が決定しているだけに、まずはV1が至上命令だ。

 前回王者時代は杉浦に敗れ防衛0で終わるなど、過去3度のGHC戴冠でいずれも納得できる王者像を築けなかった。「居続けているだけで“ノアの象徴”って扱いをしてもらってるんで。そこはやっぱりリング上の実力、ベルトを巻いて、そういった部分でもそこは根付かせたいなと。改めて丸藤はノアにいるんだなって部分をしっかり見せたい」。揺るぎない決意を胸に丸藤が防衛ロードを開始させる。