ノアは創設者・故三沢光晴さん(享年46)の命日である13日、「三沢光晴メモリアル2021」を配信し、第3試合終了後に〝魔界からの使者〟グレート・ムタが電撃降臨し、拳王(36)を襲撃するハプニングが起きた。

 拳王は井上雅央(51)とのシングル戦に臨み、PFS(ダイビングフットスタンプ)一撃で圧勝した。その直後だ。「おい、番組を見ているクソども!」とマイクで悪態をつくと、背後にはどこから現れたのか、ゆらりとムタの姿が…。

 異様な殺気に気づいた拳王がマイクアピールを中断して振り向くと、ムタは緑色の毒霧一閃。拳王の視界を奪い地獄へ突き落としてしまった。

 さらには頭上を旋回していた撮影用ドローンにも赤い毒霧を噴射。最新ハイテク機械は、そのまま蚊取り線香を吸ってしまった蚊のように、静かにマットに着地して動かなくなった。

 ムタは「アイ・ウォント・シー・ヒズ・ブラッド。アイ・ウィル・キル・ケンオー!」と絶叫して姿を消した。

 代理人の武藤敬司(58)は6日の4団体合同興行「サイバーフェスティバル」(さいたまスーパーアリーナ)で丸藤正道(41)に敗れGHCヘビー級王座を失ったばかり。大会直前の武藤はムタが「うつ状態」に陥っていることを明かしていたが、魔界の奥深くで復活を遂げたということなのか…。

 まさかの襲撃を受けた拳王は顔面を緑色に染めながら「ムタ! やってやるよ!」と怒号を響かせた。27日配信大会にはムタの「指名試合」が決まっており、対戦相手は「X」とされていたが、これで拳王の出陣は確実となった。メモリアル大会で新たなる危険な遺恨が生じてしまった。