ノアは8日、福岡国際センター大会(14日)で行われるGHCヘビー級選手権の調印式を都内のホテルで行い、王者のプロレスリングマスターこと武藤敬司(58)と挑戦者の清宮海斗(24)が正面から火花を散らした。

 前哨戦となった前夜7日の横浜武道館大会の6人タッグ戦で完勝した武藤は「久しぶりの福岡の試合をうれしく思う。前夜入りするが、中洲からの誘惑に負けなければ試合は大丈夫だと思う」と、清宮を〝安パイ〟と表した自信もそのままに胸を張った。

 それでも前哨戦前に腸炎を患ってしまい「スペースローリングエルボー」の形が崩れたことを反省。そのうえで「今の清宮はスポンジみたいになんでも吸収してしまう。今の自分には、昨日のように錆びついてしまった引き出しもあるが、何とかなるでしょう」と気持ちを引き締めた。

 一方、昨年8月の横浜文化体育会館以来のシングル戦となる清宮は「これまでの戦いは正直悔しいけど、武藤さんのプレーヤーとしての輝きを感じました。でも武藤敬司を倒すのは俺しかいない。未来のイメージを強く持って全てを超越した絶景を見せたい。8月に戦った時に蓄えたものがあると確信しましたが、自分が持っているものの中から勝負を仕掛ければ勝てると思います」と王座奪還を誓った。

 この言葉を受けた武藤は「福岡は天龍(源一郎)さんとIWGPをかけて戦ったり、ハルク・ホーガンと戦ったり、いろんな作品を残せたと思う。今の時点でどんな作品になるか分からないが、清宮自身が成長を感じたから挑戦を表明したと思うし、その部分に期待している」と防衛に自信をのぞかせた。