6日のノア国立代々木競技場・第2体育館大会で、GHCヘビー級王者の潮﨑豪(38)が杉浦貴(50)を50分を超える激闘の末に下し6度目の防衛に成功。来年2月12日の東京・日本武道館大会で〝プロレスリングマスター〟こと武藤敬司(57)を迎えてのV7戦が決定した。

 試合は想像を絶する死闘になった。序盤から2人の情念がぶつかり、チョップとエルボーが激しく交錯。試合は30分を超えても一進一退の攻防が続き、どちらもペースを譲らなかった。それでも40分が経過すると徐々に杉浦にペースを握られ、潮﨑が耐えるシーンが続いた。ヒジやヒザの乱れ打ちから投げっ放しジャーマンでコーナーに叩きつけられ、さらに五輪予選スラムで追い打ち。さすがの潮﨑も虫の息になり、なんとかカウント2で返し続けるのがやっとだった。

 しかしコーナー最上段からの雪崩式五輪予選スラム狙いを切り返し雪崩式リミットブレイクで叩きつけて攻守入れ替えに成功すると、強烈なラリアートを叩き込むなど怒とうの反撃。最後は打撃合戦をチョップで制し、豪腕ラリアート3連発でマットに沈めた。

 試合後には杉浦から親指を立てられ祝福される一幕も。さらに力なくガッテムポーズを決めた杉浦を見送ると、今度は花道から現れた武藤から「ちょっと老いぼれて年をとっちまったけど、そんな俺が夢を見てもいいだろ。俺の夢に付き合ってくれ。日本武道館でベルトに挑戦させてくれ」と宣戦布告を受けた。

 これに潮﨑は「いつ何時、誰の挑戦でも受ける!」と武藤の師でもあるアントニオ猪木氏(77)の言葉を引用し受諾。その後「武藤敬司の『GHCだけ巻けていない』という言葉に付き合うつもりはない。でも、夢があるでしょ。ノアの武道館が帰ってくる。そのリングで武藤敬司で戦う。そんな夢のあることはないでしょ。何歳だろうと、武藤敬司は武藤敬司だ」と力をこめた。

 これを受けて日本武道館大会でのGHCヘビー級王座戦開催が決定。対して武藤は「俺も武道館で数々の記憶に残る試合をしている。前から言ってきたTPOがそろったかなと思てますよ。いやー、生きてるって感じですよ。ノアのスタイル、ある意味、四天王のころからのスタイルだろうけど、俺のバイブルは違うから。このスタイルには付き合わねえよ。ゴーイングマイウエーで行くよ」と早くも闘志メラメラ。「いつ何時――」との言葉については「あんまりそういうことは言わねえほうがいいんじゃねえか? 1年目のやつでも挑戦していいってこと? もし負けたら誰か連れてきちまうか」と話していた。

 潮﨑は天才を下し「アイ・アム・ノア」を証明できるか。それとも武藤がIWGPヘビー級、3冠ヘビー級に続きGHCヘビー級王座も奪取して悲願の3大タイトル制覇を果たすのか。大一番は、それにふさわしい大舞台で開催される。