ノア4か月ぶりの有観客興行となった18日の東京・後楽園ホール大会で、杉浦貴(50)率いるクセ者集団「杉浦軍」が拳王(35)率いる「金剛」を幻惑した。

 杉浦軍は〝IQレスラー〟桜庭和志(51)や〝悪魔仮面〟ケンドー・カシン、カズ・ハヤシ(47)、NOSAWA論外(43)とアクの強すぎる面々が集結。ゴング前に金剛が強襲したこともあって、開始早々10人が入り乱れるカオス展開に。場外戦は、息が全くあっていないようで妙に合っている杉浦軍がペースを握った。

 リングに戻ると、杉浦がマサ北宮(31)と対戦。激しいタックル合戦を繰り広げた後、リーダーの杉浦は戻ろうとするが、悪魔仮面の無慈悲な「まだまだ!」「いけ! いけ!」との掛け声とそれに乗せられた観客の拍手で延々とタックル合戦をさせられる展開に。その挙句、場外に逃げるもカシンの指示を受けた論外からすぐにリングに戻されてしまった。これで杉浦は疲労困ぱいとなり、数分間の戦闘不能状態に。杉浦軍は数的不利な戦いを強いられた。

 その後は拳王とキック合戦を繰り広げるなどした桜庭の活躍もあり、最後は息を吹き返した杉浦が五輪予選スラムで覇王を下して勝利。試合後は「リデット軍」を自称するカシンに促され、5人笑顔で指で「L」マークを作った。ちなみにカシンがタッチを受けたのは1回だった。

 試合後カシンは「金剛に勝ったんだ。24日(東京・後楽園ホール)の金剛軍興行はリデット軍興行で決定だろ! 俺たちが勝ったんだ。約束通り、マサ北宮を追放して井上雅央をマサ王、大森隆男をタカ王として加入させろ!」と支離滅裂な要求を突きつけ去っていった。また、論外が金剛軍との一層の抗争激化を見越し「向こうは6人でこっちは今5人だから。鈴木秀樹を一時雇用したい」とマット界一の偏屈者の再雇用を発表。

 振り回されたリーダー杉浦は「久々の有観客を味わえなかったよ、あの人のせいで! 普通ああいうの(タックル合戦)は勢いのある若いやつがやるんじゃないの? 俺リーダーで50歳だよ!?」と苦笑いしながら愚痴をこぼしていた。