ノアの杉浦貴(49)が、現役引退を発表したラグビー界の“鉄人”こと元日本代表ロックの大野均(42=東芝)に熱きメッセージを送った。大野は何度も酒席を共にしたことがある友人で、杉浦は2015年にプレゼントされたという“戦闘服”を初公開。「勇気をもらった」と、31日に迎える50歳の誕生日を前に闘志を新たにした。

 18日に引退が発表された大野について、杉浦は「驚いたけど、キンちゃん(大野)が決めたことだから本当に燃え尽きたんでしょう。グラウンドに立ち続けた雄姿に頭を下げるしかない。心から本当にお疲れさまでした…」とねぎらいの言葉を口にした。

 大野はW杯に3度出場(2007、11、15年)し、日本代表歴代最多キャップ数の「98」を誇るラクビー界のレジェンド。知り合ったのは2015年1月、共通の知人を通じてだった。その後は大の酒豪として知られる大野と意気投合。日本が1次リーグ南アフリカ戦で歴史的大金星を挙げた、同年のW杯イングランド大会から帰国後も祝杯を挙げた。

 その際、大野は突然に「これ、杉浦さんに」とW杯で着用した日本代表の練習用ジャージーにサインを入れてプレゼントしてくれたという。「うれしくてうれしくて、そのままジャージーを着て飲み続けた。とても静かに飲む人だけど、グラウンドに立つと最年長でも激しいプレーをしていたのが忘れられない」と振り返る。

 同時に「ラグビーのFWで42歳まで現役ってあり得ないでしょ? キンちゃんには数え切れないほどの夢と勇気と希望をもらった。俺も燃え尽きないままで終わるわけにはいかないよね」と語気を強めた。

 大野は「灰になってもまだ燃える」を座右の銘とした。くしくも杉浦は31日に50歳の大台に突入する。50代でタイトル戦線に立ち続けた選手は、52歳の時に全日本プロレスの3冠ヘビー級王座を戴冠したミスタープロレス・天龍源一郎(70)ら数えるほど。しかしラグビー界の鉄人が潔く身を引くからには、自分がその意志を継承するしかない。

 9日放送回では、中嶋勝彦(32)にGHCナショナル王座を奪われた。それでも「ちょっとの間だけ、中嶋君に預けただけ。大会が再開されて大歓声を背中に浴びる時には、俺の腰に戻っているでしょ」と奪還の自信は揺るがない。

 最後は大野に対し「しばらく会ってないけど、ウイルス騒動が終息してゆっくりできる時間ができればまた飲みたいし、試合観戦にも来てほしい。ぜひ慰労会をやりましょう」と呼びかけた杉浦。ノアの“新鉄人”は、まだまだ燃え続ける。