東京都の小池百合子知事(67)の外出自粛要請を受けてノア史上初の無観客で開催された4大GHC戦(29日、後楽園)で、ベテラン王者が、まさかの造反劇に遭った。GHCジュニアヘビー級王者の小川良成(53)は初防衛戦で、1月のジュニアリーグ戦を制した原田大輔(33)と激突。左腕に一点集中攻撃を浴びせ、バックドロップ連発から変型アームロックと老練な試合運びを見せた。

 挑戦者必殺の片山ジャーマンもカウント2で返すと、2発目を阻止して回転エビ固めに移行。これを耐えた原田がフットスタンプを発射してくるが、王者は反撃を読み切っていたかのように切り返してクルリ。技ありの3カウントを奪った。

 これで世代交代は阻止したが、試合後に予期せぬ展開が待っていた。ユニット「スティンガー」の盟友でセコンドに就いていた鈴木鼓太郎(41)に襲撃され、ブルーディスティニーでKOされたのだ。しかも鼓太郎は次期挑戦者に名乗りを上げ、小川は「あんなことされたんで、スティンガーは今日で終わり。もう一切(名前を)使わないでくれる? あとはいつでも、このベルトかけてやりましょう」と怒り心頭。観客不在の場で解散を迎えるという極めて珍しいユニットとしてその歴史に幕を閉じた。