【ノア】GHCナショナル王者・杉浦が田中稔撃破 次期挑戦者は中嶋

2020年03月30日 00時00分

田中稔(下)の顔面を攻める杉浦貴

 ノアは29日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、東京・後楽園ホールで団体初の無観客試合を行い、GHCナショナル王者・杉浦貴(49)がジュニアの第一人者・田中稔(47)を撃破して4度目の防衛に成功した。

 田中が開始早々、腕ひしぎ逆十字に出る奇襲攻撃。そのまま場外に落とすや、鉄柵でハレンチ王の左腕に集中砲火を浴びせ、背中に無数のサッカーボールキックを叩き込んでペースを握った。

 しかし王者のスタミナは無尽蔵だ。スタンドに戻るやエルボー連打でダウンを奪い、マウントの状態からエルボーの鉄ついを振り落とす。その後、激しいエルボーの打ち合いになっても、鬼のような形相でヒジを打ち続けた。

 それでも大ベテランの田中は、序盤の左腕攻撃で勝利への布石を打っていた。コーナー突進をさばくと一気に逆十字に移行。アームブリーカーで畳み掛けると、最上段からのダイビングフットスタンプで勝負に出た。ここでコーナーに上がると、杉浦は雪崩式五輪予選弾を狙う。田中が左腕を羽根折り固めに捕らえ、ハレンチ王をキャンバスへ撃墜した。

 後半勝負にめっぽう強い杉浦は、ひるむことなくトップスピードでニーリフトから、雪崩式脳天砕き。再度のニーから五輪予選弾を狙うも、上体を巧みに入れ替えた田中が十八番のヒートクラッチ。さらには逆十字でギブアップを狙う。エスケープした杉浦は逆にアンクルホールド、田中は逆十字狙いとハイレベルかつ目まぐるしい攻防が続いた。

 最後は王者が渾身のアンクルホールドでギブアップを奪った。

 試合後には前GHCタッグ王者で前W―1チャンピオンシップ王者の中嶋勝彦(32)がリングイン。「その赤いベルトに興味があるんだけどさあ。挑戦させてください」と不敵な笑みを浮かべ挑戦を表明。杉浦は無人の観客席に向かって「挑戦者にふさわしいか? イエスか、ノーか?」とマイクを向けるも、もちろん反応はない…。

 すると王者は中継カメラに向かって「視聴者のみんな、イエスか、ノーか? イエスだな? よし決まりだ!」と、動画配信サービスで観戦する数万人のファンを思いやる粋な言葉で男を上げた。

 杉浦は「ジュニアとも防衛戦ができる、自由なスタンスを持ったベルトだからね。(中嶋は)問題ない。いつも全力で頑張って試合してるのは俺が知っているから。いつでもどこでも構わないぜ!」と赤いベルトを誇らしげに抱え、全身から湯気を立てながら、雪降る水道橋方面へと消えていった。