ノアの“暴拳王”こと拳王(34)が率いる反体制派集団「金剛」の自主興行が14日、東京・新木場1stRINGで行われ、前売り券が完売する350人超満員札止めの観衆が集まった。1日2試合を行った拳王はメインで躍動。構成員も5人に増えて、旗揚げ20周年記念イヤーとなる2020年に向けて、さらなる飛躍を誓った。

 第2試合でマサ北宮(31)と反選手会同盟(齋藤彰俊、井上雅央組)を一蹴した拳王は、その北宮、稲村愛輝(27)を従えてメインに堂々と登場。GHCヘビー級王者で、2年連続で東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」敢闘賞を獲得した清宮海斗(23)、初代GHCナショナル王者の杉浦貴(49)、GHCタッグ王者の潮崎豪(37)という“ノア最強王者トリオ”と激突。最後は稲村が杉浦の五輪予選弾に沈むも、初の自主興行であまりに豪華なカードを実現させた。

 今春の活動開始当初は決して順風満帆とはいえなかったが「継続は力なり」を証明した。拳王がライバルと定めた清宮はV6を達成して見事に敢闘賞を受賞。新生ノア初の両国国技館大会メインを飾った拳王対清宮のGHC戦は、ベストバウトにノミネートされた。特筆すべきはキャリアわずか1年4か月の稲村が新人賞部門で2票を獲得。22歳の宮脇純太にも1票が入った。

 清宮は昨年、新人賞を飛び越えて敢闘賞を受賞したものの「ルーキー不在の時代」が長く続いたノアにとっては、最高の“朗報”となった。

 セミでは新たに仁王(Hi69)と覇王(さとうゆうき=2AW)の加入も決定。杉浦からは年内最終大会となる杉浦軍興行(27日、後楽園ホール)に向けて「超大物を用意するから。メインとほぼ同等の試合に出てくれよ」と参戦を要求された。

「どうだ、5人になったぞ。新木場の350人から後楽園、そしてあの場所(日本武道館)へとステップを踏んで、金剛がノアに必ずダイヤモンドのような輝きをもたらしてやる。見てろ、テメーら。今日が金剛にとって新たなスタートになるからよ!」。メモリアルイヤーの20年、反体制派集団はノアの中心軍団へと飛翔する。