ノア2日の東京・両国国技館大会で行われた初代GHCナショナル王座決定戦は、ハレンチ王・杉浦貴(49)が大激闘の末、米国の筋肉王マイケル・エルガン(34)を撃破。あらゆるスポーツでも前例のない「49歳初代王者」の金字塔を打ち立て、またひとつ男を上げた。

 エルガンは米インパクト・レスリングの10月20日のシカゴ大会で丸藤正道(39)を撃破して勢いに乗る。ノアの親会社、株式会社リデットエンターテインメントの長州力会長(67)の選手権宣言の後にゴングが鳴ると、開始からダッシュ。エプロンでのバーニングハンマー、エルガンボムで攻め込んだ。

 それでも杉浦は驚異のタフネスさを発揮。エルボーとジャーマンの連打に耐えると逆にコーナーへのジャーマン、正調式ジャーマンで一歩も引かない。それどころか時間の経過とともに動きにスピードが増してくる。どこからこんな力が湧いてくるのか――。

 もう、いくしかない。アンクルホールドで一気に相手の体力を奪うと、雪崩式脳天砕きからランニングニー連打。エルガンボムもクリアして、危険なバーニングハンマーは巧みにフロントネックで切り返す。最後は意地のエルボー合戦から五輪予選弾連打。お互いが一歩も引かない最高の肉弾戦を制した。

「カッコいいベルトだよね。(ベルト授与の際)長州会長から『お前、頑張ったな』とお言葉を頂いた。エルガンも素晴らしい選手だった。再戦を望まれれば、断る理由はない。日の丸が入ったこのベルト、俺が輝かせていく」と胸を張った杉浦は、ピカピカのベルトを手に愛犬・ケンタ君(豆シバ、1歳1か月=♂)の待つ自宅へ引き揚げた。

 新たな名勝負の末に勝ち取った栄冠を手に、2020年、団体と自身の20周年イヤーへ向かう。