“プロレスリングマスター”武藤敬司(56)が、ノア11月2日の東京・両国国技館大会で、化身のグレート・ムタが一騎打ちする天才・丸藤正道(40)に揺さぶりをかけた。

 ムタの代理人として決戦について聞くと「久しぶり(1年4か月ぶり)に日本でのムタ登場だけど、心配なのはむしろ丸藤だよ」と指摘した上でこう続けた。「昔からムタと戦う時に、まねだったり、近づくことで対抗しようとしたレスラーはたくさんいた。米国にも日本にも。でも、そういうやつらはみんなムタの世界観に飲み込まれてきた。そのままレスラーとして潰れちゃったやつもたくさん見てきたから。あいつ、大丈夫かな」

 丸藤が「グレート・マル」の降臨を検討したり、魔界のエキスを取り入れたりと必死にムタ対策に取り組んでいることに対して警鐘を鳴らす。「しかも最近、丸藤って米国に行ってるんだよ。向こうはこっちより全然、ムタの評価がすげえからさ。それをそこら中で聞いて、あいつの中のムタがとんでもない存在になりかねない。幻想に潰されなきゃいいけど…」

 本気の心配か、それとも挑発か――。武藤はどちらとも取れる表情で「飲み込まれるのは仕方ねえから。みんなそうだからさ。そこは諦めて、潰されないようにしっかり自我を保ってくれ!」。世紀の一戦に向け、心理戦が始まっていることだけは確かだ。