抜け出すのは誰だ。ノアのリーグ戦「N―1 VICTORY」はいよいよ終盤戦に突入。Bブロックはドラゴンゲートの鉄人・望月成晃(49)が単独首位に立った。優勝決定戦(16日、エディオンアリーナ大阪第1競技場)進出を視界にとらえた望月が初制覇への思いを語った。

 アラフィフの望月が、敵地で躍動している。開幕戦で中嶋に敗れて黒星発進したが、8月29日には優勝候補筆頭、拳王(34)との壮絶な蹴り合いを制し単独首位に立った。「優勝できたら史上最年長で史上最軽量(85キロ)でしょうね。ここまで来た以上は最後までいきますよ。49歳のおっさんがGHCヘビー級王座に挑戦できたら痛快ですよね」

 自信を胸に抱いての参戦だった。昨年は全日本プロレスのジュニアタッグリーグ戦に出場。しかし今回は、堂々たるヘビー級戦士として新生ノア初のリーグ戦にエントリーした。「全員が190センチ、100キロの大型外国人だったら、ちょっときつい。でもノアはジュニアから体を大きくしてヘビー級に転向した人が多い。自分なりに勝算があったから、参戦した。勝ち目がなければこんな大舞台には立ちませんよ」

 希望もある。2月19日に開催されたジャイアント馬場没20年追善興行では、約11年半ぶりに丸藤正道とタッグ戦で再会。半年後のN―1参戦が実現した。「優勝して両国でGHCヘビー級王者になれれば…やっぱり丸藤さんとシングルで戦いたいですよ。実現できればプロレスラーとしてこんな幸せなことはない」と目を輝かせた。点を点には終わらせず、鮮やかな線を描いた鉄人が新たな夢の扉を開く。